この就労体験記では、IBDを抱えての就職活動や就労に関して、皆さんのプロセスや気づき、工夫などを共有することを目的としています。
今回はクローン病を子どもの時に発症し、新卒で就職活動を行ったまちさんの体験記です。ご自身の職場についてや職場選びの観点、工夫など、大変分かりやすくまとめてくださいました。ぜひご一読ください。
まちさんは、10/30(土)のZoom就労イベント「IBDとともに働き続けるコツ〜就職活動・フレッシュマン〜」のパネルディスカッションにもご登壇予定です。ご興味ある方はぜひ詳細をチェックいただけましたらと思います。
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CD18年。10歳で発症し3か月間入院しましたが、その後大きな再燃はなく過ごしています。現在はペンタサ、ビオスリーの服薬、おおまかな食事管理のみです。
職場について
福祉関係の団体に所属しています。今の部署では、福祉現場で働く方向けの研修の企画・運営等を行っています。
やりがい・よかった点
もともと計画的に物事を進めることが得意なので、担当の研修が形となり、予定通り実施された時は達成感があります。
企画した研修について、受講者の満足度が高かったり、温かいコメントをいただくと、大変だったことが報われ、やりがいを感じます。
10以上部署が同じ建物内にあり、人数の多い(100名くらい)組織なので、様々な部署の職員とつながりがあります。合同で事業をすることもあるので、顔の見える関係は心強いです。
デスクワークが多いです。職員数が多いので、急な腹痛でしばらくトイレにこもっていてもバレにくいです。
大変な点・改善されたらいいと思う点
世の中が在宅ワークの流れになる一方、福祉は必要となる分野のため、毎日出社しています。また、コロナ禍で一時的に人員が必要となった部署への異動があった時は、22時過ぎまで仕事をすることもあり大変でした。
トイレには一部にしかウォシュレットがないので、争奪戦です。全部に設置してくれないかな…と思っています。
就職活動の際、職場を選ぶために大事にしていた観点
病気があることを開示しても難色を示さず、受け入れてくれる職場であるかを大切にしました。私は大学4年と、大学院2年の時に就職活動をしました。
1回目の時は、健康状態を聞かれた際正直に病気の情報を沢山話してしまいました。それによって、眉間にしわを寄せる面接官、届けられるお祈りメール。病気だけが原因ではないにしろ、一喜一憂していました。
2回目の時は、同じように健康状態を聞かれた際には、相手を不安にさせない言い方や伝え方を意識しました。そして、病気があることより、私個人の能力を見て、一緒に仕事をしたいと思ってくれるところで働きたいという気持ちで就職活動しました。
就職活動の具体的な進め方
もともと栄養系の学科を専攻していたので、病院や調剤薬局等をインターネット検索や大学の求人案内から探していました。結局、たまたま見ていた大学の求人案内で今の職場を見つけ、いろいろあって資格は活かさず働いています。
履歴書の書き方や面接対策は、大学の就職課で見てもらいました。加えて、所属している患者会で行われていた就労勉強会等にも参加して、病気があることならではの就職活動のヒントを得ました。
お仕事とIBD治療を両立するための工夫
私の場合は、環境の変化やストレスが体調に影響しやすいので、趣味の演劇や映画を観ることを楽しみにメリハリをもって仕事をするようにしています。
また、日々の食事は制限時過ぎず、1日の中でバランス調整するようにしています。
これから就職活動をする方へ、一言メッセージ
発症のタイミングによって、就労の悩みは様々だと思います。あなたにとって、自分が苦しくならない選択ができるようになることを祈っています。
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まちさん、お忙しいところ丁寧にお答えいただきありがとうございました!
2回目の就職活動では、1回目の反省を踏まえ、病気があっても伝え方を工夫したなど、参考になるお話だと思います。
まちさんの益々のご活躍をお祈りしております!