専門家の記事

みなさんこんにちは。ジーケア の堀田です。

 

新型コロナウイルスの感染症は未だ収束の兆しは見えず、東京オリンピックの開催も予定通り開催、中止、延期などいろんな意見が出ていますね。楽しみにしていたオリンピックですが今回は状況が厳しいですね。

 

さて、前回の投稿で「新型コロナウイルス感染症に対して、IBD患者として改めて気をつけたい3つのこと」を紹介しました。

とても大切なポイントを解説していますので、まだご覧になっていない方はぜひご確認ください。

 

https://gcarecommunity.com/article/320

 

皆さん方は現在も引き続き「手洗い」や「人混みを避けたりマスク」などで気をつけていらっしゃると思います。

 

そこで今回は「海外のIBD患者さんたちはどのように注意をしているのか」をご紹介したいと思います。

 

特に今回ご紹介する情報は世界のIBDの様々な研究や治療薬開発などで大きな役割を担っているIOIBD、Crohn’s and Colitis Foundationという組織がIBD患者向けに公開している情報になります。

 

もちろんこれは海外の患者向けですが、この病気は世界共通ですので日本の患者さん方にも当てはまります。

 

それでは紹介していきますね。


 

1. 治療薬はどれが安全でどれが心配?

 

新型コロナウイルス感染症に対しては「免疫抑制の効果があるかどうか」が大切になります。結果として以下の内容を公表しています。

 

「5-ASA製剤(日本だとペンタサR、アサコールR、リアルダR、サラゾピリンR)は安心して使用できる」

 

「ステロイド使用中の患者さんは、可能なら、使用量を減らしていき、中止することが望ましい」

 

「チオプリン製剤(イムランR、アザニンR、ロイケリンR)やゼルヤンツRは免疫抑制の効果があるため注意が必要になる」

 

「生物学的製剤(レミケードR、ヒュミラR、シンポニー R、ステラーラR、エンタイビオRなど)も免疫抑制の効果があるため注意は必要」

 

「しかし免疫抑制効果のある薬剤を使用中であっても、必要な場合には使用を中断する必要はなく、主治医と相談しながら継続すること」


 

2. 日常生活における注意点は?

 

これは日本での注意点とほとんど同じです。特に手洗いの時間を具体的に示しているのは特徴ですね。そのため患者さんが小学生などのお子さんであってもわかりやすいようになっています。

 

「不要不急の外出と人混みは避ける」

 

「手洗いを20秒間行う(メリーさんのひつじ、などの短い歌を2回程度歌いながら時間を意識して行う)」

 

「外出先では眼、鼻、口などの顔を直接手で触れないようにする」


 

3. 日本との違いは?

 

ここまで読んで下さった方はもうお気づきですね。

 

そうです、日本と特に変わりありません。当たり前といえば当たり前ですが 笑

 

でも改めて、世界中で同じ病気を患っているIBD患者さん方が、同じ注意点を意識して、同じように日常生活を送り、治療を継続していることを実感されたと思います。

 

現在も、そしてこれからも人種や国籍などを問わず、世界中でこのIBDという病気の克服のために日夜研究開発が続けられています。

 

私たちは1日も早く現在の新型コロナウイルスの状況が収束すること、そしてこのIBDという病気が完治できる日を願っています。


これからも、少しでもこのGコミュニティが皆さん方のサポートになれるよう取り組んでいきますのでどうぞよろしくお願いします。

 


【参考】

1. https://www.ioibd.org/ioibd-update-on-covid19-for-patients-with-crohns-disease-and-ulcerative-colitis/

 

2. https://www.crohnscolitisfoundation.org/coronavirus/what-ibd-patients-should-know