おはようございます。本日は、ヒッキーさんからの以下の質問についてお答えします。
<質問>
こんにちは。クローン病歴2年半になる息子の母です。当初は何を食べてもひどい腹痛&下痢の日々で食事も低残渣、脂質も計算して1日30gまでに抑えて作っていました。治療も今はレミケードの投薬で症状も落ち着き、寛解期が続いています。こうなると、あのしんどかった日々の記憶はどこへいってしまうのか…💧 本人も私も少し気が緩んだ食事になってしまうときもあります。前回の大腸検査の結果、少しびらんも見られ、レミケードの効きが悪くなってきてるかもしれない。と言われ、コロナもとにかく気をつけるように!と言われました。
そこで、私にできることは日々の食事の管理くらいしかないのですが、1つ教えて頂きたいことがあります。
素人考えなのですが、おそらくレミケードを投与したばかりは免疫がぐっと低下するので、低脂質ばかりを重視するのではなく、抗酸化力の強い食材や発酵食品、ビタミンCの摂取などで多少は免疫力を高める食べ方をし、投与1ヶ月後くらいからはまた通常の低脂質重視の食事にしていく。といった食事の仕方でいいのでしょうか?
寛解期は維持しなければいけないが、コロナのような感染症も充分注意しなければいけないので、日々の生活でバランスをとるのが非常に難しいと感じています。
ぜひ、アドバイスを頂きたいと思います。長文ですいません。
<回答>
ご質問いただきありがとうございます。コロナの影響もあり、免疫については気になることが多いですよね。
免疫の各プロセスの中で各ビタミンやミネラルが需要な役割を担っていることが研究で示唆されていることから、ビタミンミネラルが豊富に含まれる野菜や果物などの摂取量を増やすことが免疫力の向上に繋がる可能性があります。
一方でまだ炎症が続いている可能性があるとのことで、消化管の負担を減らすために低脂質をベースとしつつ、比較的消化管に負担の少ない野菜や果物などを可能な範囲で増やしていくことが、一般的に推奨されると思います。
IBD患者さんにとって、食べても良い食品、控えた方が良い食品は明らかではなく、個人によって反応が異なると言われています。ですが、一般的に、比較的消化管に負担が少ないと考えられている野菜・フルーツとしては、以下があげられます。
野菜
ほうれん草、小松菜、ブロッコリー、にんじん、サラダ菜、かぼちゃ、大根、たまねぎなど
果物
バナナ、すいか、もも、りんご、なし、フルーツ缶詰、パルプが含まれないジュースなど
野菜や果物を摂取する際は、皮や種、硬い茎などを極力取り除き、繊維質なものは細かく刻むことや、柔らかく茹でることが大切です。一品ずつ少量から、消化器症状などを確かめつつ食事に加えていくことが勧められます。
また、上記に加えて、豆類では、豆乳や木綿・絹ごし豆腐など、乳製品の摂取が可能な場合は低脂質のヨーグルトなどは栄養素が豊富で比較的消化管の負担が少ないと考えられているので選択肢となると思います。
ぜひ無理のない範囲で、息子さんの症状を確認しながら、食品のバラエティを増やしてみてくださいね。
なおご参考までにですが、炎症がおさまっている寛解期の食事に関しては、脂質・食物繊維ともに推奨がだいぶ変わってきていますので、詳しくはこちらをご確認頂けましたらと思います。
また何か悩まれることがあればぜひお気軽にコメントください。引き続きどうぞよろしく申し上げます!