専門家の記事

こんにちは、ジーケアの堀田です。

今日は皆さんから頂いたご質問に回答させて頂きます。


チオプリン、バイオ製剤に関するご質問、不安は皆さんがよく抱かれると思います。

このジーコミュニティで私たちだけでなく、患者さんやご家族の方など皆さんで一緒に

情報を共有し合い、支え合っていきましょう。

 

チオプリン製剤は、ステロイド依存の方などは必要なので例えば50歳以上でも使用することは多いです。もちろん一般的に可能性という意味では、チオプリン製剤による悪性腫瘍のリスクはあります。

 

しかし判断が難しいのは、50歳以上の方は年齢だけを考慮しても、チオプリン製剤に関わらず悪性腫瘍が発生する年齢です。そのため、治療に関わらず通常のがん検診などをしっかりと受けることが大切だと思います。もちろん必要に応じて治療中に癌のための各種検査を行いながら治療を継続していきます。

 

またチオプリン製剤を使わない場合には、その方の病状に応じて他の薬を選択する必要があります。この治療薬の選択は各患者さんの状況によって異なりますので個別の回答になります。

 

例えばAさんはエンタイビオRを使用したり、BさんはヒュミラRを使用したり。様々なケースがあると思います。

 

またバイオ製剤も同じような考えです。年齢のみで使用するかどうかは決まらず、実際に50歳以上の多くの方が様々なバイオ製剤を使用しています。通常は使用前に結核などの感染症の病気の検査を行います。そして個別の患者さんに応じた治療薬を選択し、それぞれの各製剤の副作用の可能性を考慮して治療を続けていきます。

 

チオプリン製剤、バイオ製剤それぞれが病状として必要な場合には、もちろんそれぞれの薬剤の副作用は心配にはなりますが、適切に各種検査も組み合わせながら使用していくことが大切です。そうすることで病状を安定させることが可能になってきています。

 

それはひいては潰瘍性大腸炎の方では長期的に心配になる大腸癌の発生を防ぐことに繋がっていきます。

 

ぜひチオプリン製剤、バイオ製剤を使用される際には、副作用を怖がりすぎず主治医の先生や薬剤師の方と納得できるまでご相談され、内容を理解された後に安心して治療を開始されることを願っています。