患者体験談

はじめまして。そらと申します。28歳、男です。自身のクローン病との向き合い方についてお話させていただきます。
ーー確定診断と入院
2015年6月ごろより何となく下腹部右側に締め付けられるような痛くない程度の違和感を1週間に数回感じていました。
小学2年の時に腹膜炎になりましたがそれ以降は大きな病気や風をすることはなく、どちらかといえば健康体(自称)だったので、明日にはよくなるだろうという思い込みで医者には行きませんでした(自分の場合、腹膜炎とクローン病は関係ないとのこと)。
7月初旬、違和感が無くならないので地元の掛かりつけ医に行きました。
すると、「今すぐに大きな病院へ行きなさい」と言われ、市民病院へ行って検査を受けたところ、小腸に2カ所穴が開いていることが判明し、即入院となりました。
入院中に様々な検査を行い、7月末にクローン病の確定診断がおりました。8月初旬に小腸を手術で一部切除し、9月初旬に退院となりました。
先生から退院時、「そらくんは自覚症状をあまり感じないパターンです。危険人物です。食事には気を付けてください。」と危険人物の称号をいただきました。
食事には気を付けていましたが、約1年後にひどい下痢に襲われ、突発で病院に行ったところ再度入院となりました(入院期間は1ヶ月)。
原因は、当時使用していた薬の1つであるペンタサが突発的なアレルギー反応を起こしたためと分かりました。
ーー仕事
今まで体調不良で仕事を休むことがほとんどなく、有給休暇もあまり使っていなかったので、入院中の2ヶ月間と退院後の自宅療養期間中の1ヶ月間、再入院後の1か月間は、有給休暇と備蓄有給休暇対応で処理できました。
入院と食事制限により体力が落ちてしまったので、メンテナンス職から事務職になりました(部署異動)。
長期休暇や部署的な理由から評価が落ちてしまい、同期と収入差もできてしまいました(職級差など)。
一時は、転職も考えましたが社内の多くの方がクローン病の自分を理解してくれていることと会社の一部の方とはプライベートでもお付き合いがあることから、今も同じ会社に勤めています。
ーーお薬
現在の薬は、ラベプラゾール・ビオスリー・エレンタール(平日3本、休日4本)・ヒュミラです。過去にペンタサを使用していましたがペンタサアレルギーを発症してしまったので、ペンタサの使用をやめてヒュミラに切り替えました。
エレンタールだけではカロリーが足りないので、食事を1日1食、お昼か晩に食べています。メニューは、病院での栄養指導時にいただいたOK食材NG食材リストをもとにしたクローン病に優しいメニューです。
ーープライベート
私の趣味は、「航空機、車、バイク、魚釣り、スノーボード、卓球、キャンプ(やり始め)」と多趣味なこともあり、よく出かけていました。
腹痛や下痢などの症状は時々ありますが、生活に困らない程度の症状なので趣味を楽しめています。
趣味を楽しんでいる時間が楽しく、クローン病の自分の自分を忘れるためになるべく出かけるようにしています。趣味を楽しむために食事に気を付けているといっても過言ではありません。
宿泊有でのお出かけの際は、エレンタールをもっていかなければいけないので、荷物が増えてしまい苦労しています(エレンタールはボトルタイプを使用、ボトルタイプでないとイベント等での持ち物持ち込み制限に引っかかってしまうのことがあるので)。
ーー人付き合い
クローン病のことは、最初から周りにオープンにしています。
お出かけのお誘いをいただいたときは、なるべく参加するようにしていますが、食事等を理由にお断りしてしまう時もあります。
誰かと一緒にお出かけする時は、自分に合ったお店や行動パターンに合わせてくれるので助かります。それが理由で苦情が来たことはありません。
しかし、毎回、自分に合わせてくれるので申し訳ないと思う気持ちが強くなり、自分から誘うことが減ってきているのが事実です。
最初の入院時の退院するときに主治医から「孤立しないように気を付けてね」と言われました。
その言葉の意味が約5年たった今、わかりました。孤立してはいけないと思いつつも自分から誘いに行けない・・・多分、今、孤立に近い状態です(泣)・・・。どうしていいんだか。。。
クローン病生活が嫌で一時的にすごく落ち込む日もありました。いっそのこと、この現実から逃げようしたことも何回かありました。
しかし、逃げる直前でなぜか我に返るんです。いい年した男が泣きながら我に返るその瞬間が辛い。
ある日、インターネットでクローン病の交流会があることを知りました。
自分は、人見知りで会場までは距離があったので最初は参加することに躊躇していましたが、なにか一つでも収穫があればと思い、勇気を出して参加してみました(自宅は静岡県西部、会場は横浜)。
そこで、あることに気が付きました。
皆さん様々な事情を抱えつつ、クローン病を個性として前向きにとらえていたのです。クローン病を理由に落ち込んでいた自分が情けない。そう思えるようになりました。
クローン病を個性としてとらえ、前向きに生きていこうと思います。この交流会は、1回/年 の開催ですが毎年楽しみにしています。すごい収穫ですね 笑
ーー結婚観について
ただいま、婚活について勉強中・・・。結婚相談所へ行ったこともありましたが地域的、持病的理由から「自信がない」と言われてしまいました。クローン病を受け入れてくれるパートナー探しって大変だなと思いました。
ーー工夫していること
「クローン病は、自分の個性。自分は自分、我が道を行く」とにかく前向きに考える。辛いこと、辛かったこと、悪いことは考えない。
自分は、クローン病を持っているので他人(健常者)とは違います。でも、周りに合わせる必要もない。自分には仲間がいる。「ものごとを前向きに考える」これこそ、自分にとっての最高の治療薬かもしれません。
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