今回はUC歴の長いNikkiさんに体験談をご寄稿いただきました。それぞれの時代の体験やお考えになったことなどを丁寧にご共有いただいています。辛いことを色々ご経験しながらも前向きな姿勢に勇気づけられると思います。ぜひご一読ください。

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UC歴30年のNikkiと申します。50歳女性です。長い間UCとお付き合いさせていただいておりますので、UC歴を10年ごとにまとめてみました。

暗黒な20代

UC発症は20歳の頃。ある日突然、血便が出るようになり、一年間病院を転々とした結果、「潰瘍性大腸炎という難病です」と宣告され、訳も分からず、入院。初めての禁食生活を経験しました。

最初の禁食は本当につらかった…。お腹が空きすぎて、蕎麦やケーキを食べている夢を見て、無意識に口をモグモグさせ、「ハッ！」と飛び起きたこともありました。

当時はステロイドを服用しており、副作用で顔はまん丸「ムーンフェイス」に。気持ちも荒むようになりました。

一方、同級生は留学をしたり、結婚、出産を経験したりと、それぞれの人生を謳歌していました。

彼女たちの輝きが増すたびに「なぜ自分がこんな思いをしなければならないか」と自分を蔑み、心の奥底で同級生を妬みました。

開花した30代

暗闇が深すぎたのか症状は落ち着かず、30歳の時、大出血をし、大腸全摘出の手術をすることに。

IBD専門医師に出会い「今まで大変だったね。手術をすれば普通の生活ができるからね」と言っていただきました。まだオペもしていないのに、感激のあまり母親に抱きついて泣いたことを今でも覚えています。

オペ後はUCの症状はおさまり、食事も普通にとれるようになりました。

ライターの仕事に就き、取材・執筆に明け暮れる日々。念願だった一人暮らしをスタートさせ、海外旅行も経験。「暗黒期から抜けた！」とばかりにいろいろなことに挑戦しました。

UCかクローンかに惑う40代

開花時期はわずか10年。40代に入ると小腸の狭窄が発覚。UCは潰瘍ができる大腸を全摘すれば治ると思っていましたが、主治医によると「まれにUCの診断をうけてもクローン病を発症する人がいる」とのこと。

その言葉の通り、狭窄のほか、クローン病の症状でもある膣ろうや穿孔もできてしまい、オペをしなくてはならない状況に。約12時間かけて穿孔部分の切除と永久ストーマ増設の手術を受けました。

オペ後はストーマの扱いに慣れず心が折れそうになりましたが、同じ病院に入院していたIBDの仲間に励ましてもらいました。同じつらさを経験した仲間ができたことは、とても心強かったです。

私はクローン病の症状があるものの、細胞診ではクローン病特有の細胞は検出されず、診断名は潰瘍性大腸炎のまま。UCか？クローンか？私は密かに「ハイブリッド型」と呼んでいます。（もはやどちらかに決めなくてもいいんじゃないかとも思っていますが）

これからが楽しみ！な50代

ストーマ増設後、症状は落ち着いていますが、心身的負担を考えてライター業は辞め、障がい者雇用で財団法人の団体に転職しました。

職場の方々はUCやストーマのことを理解していただいておりますが、最近、業務が増えきたため体重が減り、業務量を調整していただけないか打診中です。

できることとやりたいことのバランスを図るのが難しい。これがIBDのつらさですね。

ただ落ち込んでばかりではもったいないですから、元気な時は、体力づくりのためにハイキングやキャンプを楽しんでいます。またIBDの仲間たちと定期的にオンラインでウクレレを弾いています。直接会えなくても画面越しで音を奏でるのは、今までにない楽しみです。

先日、偶然にも20代の暗黒期に同級生からもらった手紙の束を見付けました。どの手紙もあたたかな文章で、身のまわりに起きた出来事が面白可笑しく書かれており、病気のつらさを忘れさせようとしてくれていました。

当時の私はその優しさがわかっておらず、羨ましさと妬ましさに埋もれていました。

昨年、同級生たちと再会をしましたが、当時のまま、みんな笑顔で接してくれました。本当にありがたい存在です。

これからも同級生や家族、パートナー、そしてIBDの仲間とともに、つらいことも楽しいことも分かち合っていけたら幸せです。

ハイブリッド型な人生はまだまだこれからが本番！ですから、「IBD人生は大変だけど、きっと大丈夫。何とかなるよ！」と自分に言い聞かせて、先を明るく見て過ごしたいと思います。

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Gコミュニティではさまざまな体験談のほかに、患者さんが登壇し体験や考えをシェアするようなイベントを定期的に開催しています。1/29(土) 14時からは就労に関するイベントを開催予定です。

以前体験談をお書きいただいたしんちゃんやランさんも登壇し、就労でのコミュニケーションに焦点を当てて様々なトピックについて話し合います。ご興味ある方はぜひ特設サイト(https://gcareglobal.com/event-2/)をご確認ください。