患者体験談

今回は、潰瘍性大腸炎のぴよりんさんに体験談をご寄稿いただきました。ぴよりんさんは、発症時に主治医より「すぐに大腸全摘だね」と言われるほど重症でしたが、2か月以上の入院生活を経て、大腸全摘することなく退院し、その後は食事やジムなどで体調を整えながらこれまで寛解を維持されていらっしゃいます。診断初期の方へのメッセージもいただいていますので、ぜひご一読ください。
グッテスタッフ
ーー潰瘍性大腸炎の発症はいつ頃ですか?また、発症時の症状や状況を教えてください。
発症は2018年の8月末でした。
一番最初の症状はまず食欲不振でした。
「夏バテかなぁ?」位の気持ちであまり深刻にはなりませんでしたね。
そこから急激に体がだるくなり室内の移動もしんどくなり違和感のある下痢がはじまりました。
一週間程様子を見て、さすがにおかしいと救急車を呼び近くの総合病院へ。
その時点では熱も40℃近くで意識朦朧で様々な検査をしてすぐに潰瘍性大腸炎の診断がおりました。
かなりの重症ですぐに転院となり、次の日には大学病院へ。
主治医には「すぐに大腸全摘だね」と言われ全く現実味のないまま「そうかぁ、手術かあ」と他人事のようでした。
しかし結果的には2ヶ月の入院期間で内科的治療のみで退院することになります。
「オペを回避出来たのは奇跡だよ」と主治医に言われました。
入院中ですが、まず一ヶ月は絶食で薬とエレンタールのみでなかなか良くならず、腸に穴が開くかもしれないと、毎日レントゲン検査を午前中に受けていました。
その時はベッドからも起き上がれず部屋にレントゲンの機械が入り撮影していたんですね。
そして入院2ヶ月目あたりで、ようやく炎症の値が改善してきた!と主治医が駆け込んで来たんです。あの時はもう全摘しかないのかなと諦めかけていて絶望的だったので、本当に嬉しかったですね。
それから日を追うごとに良くなりベッドからも起き上がれるようになり、食事もおかゆから再開し、下痢が頻回でずっとオムツでしたが、スムーズにトイレに行けるようになり、
院内のコンビニまで散歩がてら行けるようになり、良くなって来たら一気に良くなった感じでした。
2ヶ月目の10月半ばに「一度内視鏡検査をして結果次第で退院しましょう」となり、そこでようやく人生の一大事を乗り切ったような、ホッとした気分で退院まで過ごしました。
ーーこれまでの治療の経緯について教えてください。
退院してから約1年後に寛解してそれからは再燃していません。
再燃はしてないのですが、しばらくは疲れやすかったり、出先で急に便意が来たり、関節痛が出たり、スッキリと回復した感がなく、本当に原状回復したなと感じられるのはごく最近です。
内視鏡検査をして大分綺麗になったねと主治医に言われても、体全体に受けたダメージは大きいなと感じました。
お薬ですが、リアルダを朝2錠と、8週に1度のエンタイビオの点滴で寛解維持しています。
入院した時はずっとタクロリムスとリアルダを服用していました。
ーー食事や生活で気をつけられていることはありますか?
食事ですが、外食は自然としなくなりました。
ほとんど自炊ですが、とにかく野菜をメインにバランス良く食べるを軸にして、偏ることのないよう食べています。
病院では低残渣と言われますが、いわゆる食物繊維自体は便通に必須かと思い、きのこ類をみじん切りにしてスープにしたり、キャベツやほうれん草や大根などもなるべく細かくして料理に混ぜたりとにかく野菜を摂取する努力はしています。
このパターンで私の場合は便通も良く寛解状態を保てています。
タンパク質はなるべく大豆と魚から取り、食欲がない時はソイプロテインで補っています。
整腸剤は飲んでいないので、カスピ海ヨーグルトを毎日食べています。
エレンタール等は入院時は飲んでいましたが、退院してからは全く処方されていないので飲んでいませんね。
生活面ですが、発症前より疲れやすくなったので、とにかく睡眠不足にならないよう気をつけています。
退院してから2年間は体調を整える事に無我夢中で料理自体がしんどい日もあったので、
湯豆腐とヨーグルトのみとかプロテインと青汁のみのような日もありました。
最近は寛解状態をキープ出来ているので食べないようにしているものはないのですが、いわゆる焼肉やラーメンみたいなものが食べたいと思わなくなりました。
すぐに満腹感が来るので。
腸にとってはそれが良いのかもしれませんね。食事は本当難しいですね、毎日試行錯誤です。
ーージムに行かれているとのことですが、どのくらいの頻度で、どんな運動をされていますか?
ジムには、ほぼ毎日通ってますが、頑張り過ぎないよう6割位の力でこなし程よい疲れが出る程度にバランスを取っています。
基本的には有酸素運動がメインです。
ゆっくりランニングで大体5km以内に抑え、バイクなども30分程度ですね。
発症前はもっといろいろ追い込んだトレーニングをしていたのですが、さすがに出来なくなりました。
筋トレ系はたまにやりますがぐったりしてしまいがちなので最近はしていません。
ジムに通う目的は以前はダイエットだったりとにかく鍛えたい気持ちが勝っていましたが、発症してからはとにかくメンタルが落ちやすくなったので落ち込まないようにジムに通う事でなんとか前向きさをキープしている感じですね。
やはり体調が不安定だとメンタルも連動しますし、シリアスになり過ぎない努力をしている感じです。
退院してから初めは関節痛やら倦怠感があり、ジムは無理かと思いましたが、とにかく少しずつリハビリだと思い毎日通いなんとか立て直して現在まで来ました。
ーー旦那さんも潰瘍性大腸炎とお聞きしました。何かご家庭で工夫されていることがあれば教えてください。
夫ですが、実は私と出会う前に発症、寛解しており、あまり普段意識している事は少ないですね。本人も口にする事もないんです。
結婚してからはそれでも病気の事は調べて腸に良い食事を作るようにしたり多少は気をつけていました。
主治医にもお薬も飲まなくていいと言われたから大丈夫だよ、とは言っていましたが、再燃する事もあるからと万が一を考えて過ごしてはいました。
皮肉なもので私が発症するとは思いませんでしたが。食事は気をつけていたので食べ物が原因で発症するわけじゃないのかなぁ?と夫と話していましたね。
ーートイレ面で工夫されていることはありますか?
トイレですが、退院してから約2年間は急な便意があり、朝食をとってから何度かトイレに行き落ち着いてからでないと出かけられないとか、自宅からジムまで徒歩15分程度なんですがトイレをお借り出来る場所を何箇所かチェックしておいて、安心して出かけられるようにしています。
幸いジムは人が少なくトイレも塞がってる事があまりないため、行きたい時に入れるので安心ですね。
以前は凄く混んでいるジムに行っていていつも行列だったので今となっては行けないなと思います。
入院中はずっと下痢かひどくオムツだったので、退院してからもオムツが手放せないような状態ならどうしようかとか不安がつきませんでした。
現在はほぼ安定していて出先でのトイレの心配はなくなりました。
ーー診断直後の患者さんへのメッセージ
診断直後は人間ですからずーんと落ち込んだりどうして自分が・・・と考えてしまったりいろいろあると思います。
ですが、自分自身の回復力を信じて、そして今は沢山のお薬や優秀な医療従事者がいますので、諦めずに焦らずに治療に専念して行けば必ず良い方向に行けると思います。
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