患者体験談

今回は潰瘍性大腸炎患者のゆうすけさんの体験談第一弾です。

ゆうすけさん、ご寄稿ありがとうございます!

 

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診断までにかかった長い時間と、当時の戸惑い

今振り返ると、私の潰瘍性大腸炎は高校3年生の頃から始まっていたのだと思います。腹痛が続き、トイレに行っても便が出ない状態が1年ほど続いていました。病院を受診しても「受験のストレスでは?」と言われ、検査は行われず、整腸剤のみ。
大学に進学してからも同じような症状は断続的に続き、「そのうち良くなるだろう」と思いながら、不安を抱えつつ過ごしていました。

大学2年生になり、下痢や血便が出るようになって初めて「これはおかしい」と思い、内視鏡検査を受けました。そこで告げられたのが、潰瘍性大腸炎という診断でした。
「難病」「一生付き合う病気」という言葉に大きな衝撃を受けた一方で、長年の不調の原因がはっきりしたことに、どこか安堵する気持ちもありました。

 

 

ステロイド治療で症状は改善、でも心は追いつかなかった

治療はアサコールとステロイドから始まりました。飲み始めると、症状は驚くほど早く改善し、「これで元の生活に戻れるかもしれない」と希望を感じました。
しかし、ステロイドを減らすと再燃し、また増やす。その繰り返しが続き、結果的に1年以上ステロイドを使い続けることになりました。

副作用をはっきり意識したのは、友人と撮った写真を見たときです。そこに写っていたのは、明らかに顔が丸くなった自分でした。ムーンフェイスという副作用を頭では理解していても、実際に目にしたときのショックは大きく、人の視線が気になるようになりました。
それでも当時は、「病気だから仕方ない」「我慢するものだ」と自分に言い聞かせていました。

 

 

失ったものと、専門医との出会いによる転機

症状が重く、大学では所属していた体育会の陸上部を辞める決断をしました。仲間と走り続けたかった気持ちは強く、自分で決めたとはいえ、大きな喪失感がありました。

その後、症状の悪化をきっかけにIBD専門医のいる病院を紹介されました。
そこで初めて、「ステロイドを長期間使い続ける治療には限界があること」「生物学的製剤という選択肢があること」を知りました。ヒュミラを導入し、ステロイドを比較的短期間で中止できたことは、私にとって大きな転機でした。

 

 

すぐには効かなかったけれど、確実に前に進めた治療

ヒュミラは、ステロイドのようにすぐ効く薬ではありませんでした。
使い始めてからしばらくは、「本当に良くなるのだろうか」と不安になる日もありました。それでも半年ほどかけて、少しずつ体調は安定し、血便はなくなり、日常生活を普通に送れるようになっていきました。

大学卒業後、社会人になってからも、忙しさやストレスで下痢が出ることはありましたが、以前のような大きな再燃はなく、「工夫すれば働ける」という感覚が少しずつ身についていきました。

 

 

再び走れた喜びと、無理をしない選択

体調が安定してきた社会人34年目、私は再び陸上を始めました。
走ることは、私にとって大きな喜びであり、心身のバランスを整える時間でもありました。運動を再開してから、便通が安定し、「体はちゃんと応えてくれる」と実感できたのは、とても前向きな経験でした。

一方で、怪我や生活リズムの乱れをきっかけに再燃も経験しました。その際、ヒュミラを倍量にする決断をしましたが、結果的には体調が大きく改善しました。この経験から、「我慢しすぎないこと」「早めに対処すること」の大切さを学びました。

 

 

結婚・転職を経て、今は寛解を維持できている

現在、私は結婚し、転職も経験しながら、寛解を維持しています。
病気があるからこそ、自分の体や心と向き合い、無理をしない生き方を選べるようになりました。「我慢が当たり前」だった以前とは違い、「相談していい」「助けを借りていい」と思えるようになったことは、大きな変化です。

 

 

これから治療を受ける方へ伝えたいこと

もし過去の自分に声をかけられるなら、「一人で抱え込まなくていい」と伝えたいです。
潰瘍性大腸炎があっても、結婚も、転職も、好きなことも、諦めなくていい。適切な治療と周囲の理解があれば、人生の選択肢は決して狭まりません。

この体験が、同じ病気と向き合う誰かにとって、「今はつらくても、その先は続いている」と感じられる小さな支えになれば嬉しいです。

 

 

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