以前のことですが、潰瘍性大腸炎のため、経腸栄養剤で治療していた方がいらっしゃいました。
部屋の一角には、経腸栄養剤が入った段ボール箱が2年分積み上げられていたそうです。
新婚当時で、新妻が作った食事に手を付けることができなかったという辛い体験をなさっていました。
その後、子どものアトピーの治療で漢方医をたずねたところ、潰瘍性大腸炎も治せると聞きました。
半信半疑で治療を受けたところ、漢方薬をやめても炎症は戻ってきませんでした。
あのとき、大きなストレスさえなければ、症状は戻ってこないと先生に言われたそうです。
ですが、残念なことに数年後、避けられなかった強いストレスにさらされ、その後、連絡が取れなくなってしまいました。
この方の場合、調合された漢方が症状に合っていたことと、通える範囲に良い医師がいたことが、炎症改善につながった。
経腸栄養剤の治療はつらい。でも、そのあいだは、強い薬を体内に取り込むことがないため、体内システムの回復に役立つ。
患者さん自身はとてもつらいのですが、からだは、大切にしてくれていることにきっと感謝していると思います。
経腸栄養剤の治療が終わった時、どんな治療をからだが望んでいるのか、そんなことをからだと一緒に考えていく機会にできたら、病気についての視点が変わってくるかもしれません。
経腸栄養剤の治療を受けている方たちはたくさんいる。自分はひとりぼっちではない。それを忘れないことって、とっても大切・・・