潰瘍性大腸炎とクローン病は、原因が突き止められていないため、完治させる治療方法はわかっていません。
患者に共通することに、亜鉛不足が挙げられています。
亜鉛は、土壌や海水、食べ物にほんのわずかに含まれている鉱物です。
DNAから細胞が作られるときに亜鉛が不足していると、正常に作業が行われなくなります。その結果、不都合が起き、炎症が起きやすくなる。
2017年の海外での報告によると、潰瘍性大腸炎(UC)は223例中86例(38.6%)、クローン病(CD)は773例中326例(42.2%)が低亜鉛血症で、亜鉛欠乏症だということがわかりました。
これと関連して、亜鉛欠乏症だと、入院、手術、合併症のリスクが高まることも報告されています。
だったら亜鉛のサプリメントを使えばよいのでは?と思いがちですが、落とし穴が。
亜鉛欠乏症という病気は、サプリメントのように量が少ないと、効果が出ません。
ならば、サプリメントをたくさん飲めばよいと考えるかもしれません。
亜鉛がたくさん含まれているカキをたくさん食べればよいと思うかもしれません。(経済的には無理ですが)
ですが亜鉛は、量が多すぎると、重大な副作用を引き起こしてしまいます。
◎ 患者ができること:
- まずは、亜鉛が不足しているかどうかを確認するため血液検査を受ける。
- 亜鉛が必要だとわかったら、亜鉛剤を処方してもらう。
- 亜鉛剤を服用するようになったら、定期的に血液検査を受け、亜鉛の量がきちんと上がっているのか、それとも変化がないのかを確認する。
亜鉛剤を使っても血中の亜鉛の量が増加しない場合、原因を確かめることが大切とされています。
なお亜鉛剤も検査も、医療保険の対象になります。
参考サイト
低亜鉛.jp 低亜鉛症