新年初めの食事に関する投稿は、絶食後の病院で出されるお粥についてです。
<質問>
絶食後の病院食の全粥はなぜあんなに大量なのでしょうか?お粥は血糖値があがりそうなので普通のご飯少量をよく噛んで食べたかったです。
<回答>
ご質問いただきありがとうございます。病院や担当する医師・管理栄養士によって多少考え方が異なる部分もあると思いますが、ここでは一般的にどのようにお粥の量などが決められるかという点についてご紹介させていただきます。
なぜお粥から始めるのか?
IBD患者さんが入院し、絶食などを行い、その後口からの食事を開始する場合は、一般的におもゆや全粥と呼ばれるお粥から始まることが多いと思います。ご承知の通り、お粥は消化管への負担が少なく、栄養素を吸収しやすいと考えられています。
絶食を長期間行っていた場合、消化管は食べ物を口から消化吸収することを行っていなかったため、消化吸収に徐々に慣らしていく必要があります。
一時的に血糖値が上がる可能性は当然ありますが、まずは消化管を慣らすことを優先しお粥が選択されることが多いです。仮に糖尿病などの既往歴がある場合は主治医による個別判断になると思います。
お粥の種類
お粥は、米粒の層とおもゆ(米粒以外ののりのような汁)からなります。この比率によりお粥の名前が分類されていて、おもゆから、3分粥(全粥3、おもゆ7)、5分粥、7分粥、全粥と、徐々に米粒の層の割合が大きくなっていきます。
お粥の量はどのように決められるのか?
お粥をどの程度摂取するのかは、患者さんがどの程度食事からエネルギーを摂取しなければならないのかによります。一般的に摂取カロリーは1kgあたり30-35kcal/日となり、そのエネルギー量を満たすためにお粥の量を変えます。
また、30-35kcal/日はあくまで目安となりますので、低体重でより体重を増やさなければならない場合は、経腸栄養を組み合わせるかお粥の量を多めにして対応することがあります。
全粥の量が極端に多いと感じられたのであれば、何らかの意図があって増やされた可能性があると思います。また病院によりますが、患者さんの好き嫌いを考慮して食事メニューを作ってくれる管理栄養士さんもいるので、もし疑問に感じられた場合や要望がある場合は管理栄養士さんに相談してみましょう。
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