こんにちは。米国登録栄養士の宮﨑です。イベントが重なり遅れてしまいましたが、8月末に開催されたイベントの際に時間の関係で答えることができていなかった食事に関する質問について順次お答えできればと思います。今回はリカコさんからの糖質制限食に関する質問についてです。
<質問>
UCに糖質制限食は適していますか?
<回答>
リカコさん、ご質問いただきありがとうございます。
IBDに対する糖質制限の研究
潰瘍性大腸炎・クローン病に対しては、脂質を摂取し糖質を極端に制限するケトジェニック食などの研究がラットなどの動物に対して行われていますが、結果にはばらつきがあります。
また人に対する研究はあまり行われておらずIBDに対する効果は不明です。
IBDで推奨されている食事と適切な糖質の量
潰瘍性大腸炎、クローン病ともに一般的に活動期は低脂質・低食物繊維食、寛解期は健康な人と同じような食生活(狭窄リスクがある方を除く)が推奨されています。詳細は以下の記事をご確認ください。
https://gcarecommunity.com/article/80
その中で炭水化物・糖質については、健康な人と同程度、具体的には、50~65%程度のカロリーを炭水化物から摂取することが推奨されます。
糖質制限に関する留意点
IBD患者さんにおいて糖質制限により懸念されるのは、糖質を制限して他の栄養素を増やさないと体重が減少する可能性があることです。
また糖質を制限してその分脂質等を極端に増やすと消化管へ過度な負担がかかる可能性があります。
以上より、一般的に、過度な糖質制限をIBD患者さんが行うメリットはあまりないと思われます。
もし糖質制限について不明点や疑問があればお気軽にご質問ください。