ジーケアの宮﨑です。たくさんの質問ありがとうございます。今回はIBDに加えて、他の疾患も患ってしまった場合の食事療法についてです。
【Question】
もし、IBDの患者が糖尿病や腎不全など他の食事制限が必要な病気を合併した場合はどちらが優先されるのか、気になります。低残渣低脂質に低糖質もしくは透析食となると、かなり難しそうです。医師の判断によって変わってくるかもしれませんが、基準があれば教えていただきたいです。
【Answer】
IBD患者で、糖尿病や腎不全など他の疾患も併発した場合の食事療法ですが、患者さん個々人の状況や医師の判断により異なってくる(=明確な基準はない)と考えられます。
まず、必要な食事介入の組み合わせ自体が可能なのかどうか、また併発している疾患の重症度やその時々の病状、使用薬剤、患者さん自身が複雑な食事療法に耐えうるかという点などの総合的な判断になると思います。
また同時に食事療法に関わってくるのが、各疾患に対して、食事療法のエビデンスがどの程度確立されているかということです。
例えば、糖尿病では、血糖値のコントロールにおいて、食事はクリティカルなファクターの一つで、食事介入の有用性のエビデンスは確立されており、ガイドラインなどでも推奨されています。このような場合、他の疾患に対する食事療法と比べて優先度が高くなる可能性があります。
一方、IBDに関しては、糖尿病や腎臓病と比べると、食事療法に関してはまだわかっていないことも多く、エビデンスレベルは比較的低いと言えるかと思います。ただこの判断も医師や栄養士によるかもしれません。
以上まとめますと、様々なファクターが絡んだ上での総合的な判断になると思いますので、ぜひ主治医やそれぞれの疾患を見ていただいている専門の先生などと相談の上、自分にとってその時々で最善の食事療法を選ばれるのが良いと思います。
また、IBD以外の疾患に関しても、ある疾患に関する食事療法のエビデンスはどうかと言った質問があればぜひお気軽にGコミュニティ内で質問頂けましたらと思います。
引き続きGコミュニティをよろしくお願い申し上げます。