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最近SNS上でもバレンタインデーの話を良く見かけます。今回はツイッター上で見つけた質問「IBD患者さんにダークチョコレートは良いの?」という質問についてお答えしたいと思います。


ーーダークチョコレートとは?


ダークチョコレートはカカオ含有量が40-60%以上のチョコレートを指すそうですが、一般的には、70-90%以上のチョコレートをダークチョコレートとして呼ばれることが多いと思います。


ーーダークチョコレートが注目を集める理由


ダークチョコレートが一般的に体に良いと考えられているのは、これまでの研究でさまざまな疾患に対してメリットがあることが示唆されているからです。


ダークチョコレートに含まれるカカオにはフラバノールと呼ばれるフィトケミカル(植物性の体にとってよい作用をする物質)が含まれており、血液の流れを良くしたり、糖尿病や血栓の予防、さらには一部のがんに対してもポジティブな効果があることが報告されています。


ーーダークチョコレートの留意点


一方でダークチョコレートにもデメリットがあります。まず脂質が多く含まれているためカロリーが高いことに加え、飽和脂肪酸という取りすぎると体にあまり良くないと考えられている脂質も多く含まれています。


生活習慣病患者さんではカカオ含有量が低いチョコレートよりはダークチョコレートが進められることもありますが、その場合も少量のみを取りましょうという形でおすすめすることが多いです。


ーーIBD患者さんはダークチョコレートを選択すべきか?


ダークチョコレートとダークチョコレート以外のチョコレートのどちらがIBDにとって良いかと言うのは何を重視するかによって異なるかと思います。


まずIBD患者さんに対するチョコレートの研究はあまり行われていません。一部潰瘍性大腸炎を誘発させたマウスなどを用いた研究は行われていますが効果等は確認されていません。つまり効果については現在わかってはいません。


またダークチョコレート以外とダークチョコレートのどちらが良いかということもその人の状況や食事内容などにより異なると思います。


脂質と糖質どちらを控えるべきかという点については、脂質の総量を気にされるIBD患者さんが多い一方で、IBDと糖質についてもさまざまな研究が行われており糖質についても取りすぎは良くないと考えられているからです。


またチョコレートに含まれる乳製品や添加物などが体調に影響を与えるという方もいるかもしれません。本当に人それぞれですよね。


いずれにせよ、ダークチョコレートでもダークチョコレート以外のチョコレートでも、食べる場合は少量に控えるか、少し多めに食べたい場合は前後の食事などで調整する形が良いかもしれません。


チョコレートを食べる機会の増えるバレンタインデーですが、ぜひご自身の体調や必要に応じて主治医の先生と相談しながら楽しまれてください。



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