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米国登録栄養士の宮﨑です。今回は患者さんからご質問をいただくことの多いサプリメントの摂取について紹介いたします。


IBD患者さんでは、再燃期の炎症や寛解期においても健常の方と比べて食事の量が少ないことなどから、体を維持するために必要なエネルギーやたんぱく質、食物繊維などが不足することがあります。


また、これまでの研究から鉄、カルシウム、ビタミンDなどビタミン・ミネラルが不足しているIBD患者さんが多いことも指摘されています。


ではどのように栄養不足を補うべきなのでしょうか?


一般的には、バランスの良い食事によって補い、IBD症状の悪化などにより食事によっても不足が補いきれない場合にサプリメントが検討されます。


例えば血液検査や自覚症状において栄養不足が懸念されないような場合においては特別なケースを除きサプリメントを摂取することは不要と考えられています。


実際に特定の栄養素(鉄、ビタミンDなど)が含まれるサプリメントを摂取することによるIBDの寛解維持効果などは科学的根拠が確立されていません。


しかし炎症や薬物治療、その他の影響により特定の栄養素が不足した場合には、ビタミン剤などのサプリメントの使用も選択肢となります。


定期的に血液検査などを行い、不足している栄養素を確認しながら、必要に応じて、サプリメントの要否について主治医の先生とご相談頂けましたらと思います。


その他ご質問等あればお気軽にコメントください。


どうぞよろしくお願い申し上げます。