米国登録栄養士のクローン病患者さんの母親と話す中で、成長期のたんぱく質摂取について質問がありました。悩まれることも多いと思いますので以下ご参考にしていただければと思います。
1. たんぱく質摂取の重要性
たんぱく質はアミノ酸から構成され、筋肉、皮膚、臓器のほか、成長に不可欠なホルモンや酵素を構成する重要な栄養素です 。IBD患者さんは健常者よりもたんぱく質が不足しやすいため、意識的な補給が求められます 。
2. 必要摂取量の算出
成長期かつIBDを抱える場合、必要量は体重に基づいて算出されます 。
- 算出式: 体重(kg) × 係数(g)
- 活動期の考慮: 炎症による消化吸収能力の低下、腸管からのたんぱく質漏出、アミノ酸代謝の亢進が起こるため、活動期には 1.0〜1.5g / kg(体重) / 日 の摂取が必要とされています 。
また健康な方の必要たんぱく質摂取量は以下となります。
3. 食事による効率的な摂取
脂質を抑えつつたんぱく質を確保するため、「高たんぱく・低脂質」の食材を選択することが基本です 。
- 推奨される食品: 鶏むね肉(皮なし)、ささみ、白身魚、卵白、大豆製品(豆腐・納豆)など 。

- 食事優先の原則: 疾患がある場合でも、まずは食事からの摂取を優先し、不足分を補う形で栄養剤やサプリメントを検討します 。
4. 栄養剤・プロテインの活用
食事だけで必要量を満たすのが難しい成長期には、医療用の栄養剤や市販のプロテインが有効な選択肢となります 。
- 医療用栄養剤: 主治医から処方される「エレンタール」や「ラコール」は、成長に必要なアミノ酸やたんぱく質を効率よく補うことができます 。摂取量については主治医の指示に従うことが大切です 。
- 市販プロテインの注意点: 添加物や原料(大豆・乳たんぱく)が消化器症状(腹痛・下痢等)を引き起こすことがあります 。特に「高FODMAP」の原料が含まれている場合は注意が必要なため、成分を確認しましょう 。
5. 安全な摂取のための留意点
- 過剰摂取の回避: 大幅に過剰なたんぱく質摂取は、腎臓の機能低下を招く恐れがあります 。
- 個別性の尊重: どの原料が症状に影響するかは個人差が大きいため、主治医や管理栄養士と相談しながら、自身の体調に合った補給計画を立てることが、成長期の健康維持に不可欠です 。
日々の食生活の中で食材を賢く選択し、必要に応じて補助食品を組み合わせることで、IBDと付き合いながら成長に必要な栄養を戦略的に確保していきましょう 。
また詳細はグッテコラムにも記載がありますのでぜひチェックしていただければと思います。
https://learn.goodtecommunity.com/special_list/47/