皆さんこんにちは。Gコミュニティの堀田です。
私の住む東京では梅雨が明けて連日の暑さが続いており、私自身も熱中症や夏バテにならないように気をつけている毎日です。皆さんもいかがお過ごしでしょうか。
また最近は全国で新型コロナウイルスの患者数が増加傾向にあり、お盆の帰省の時期とも重なり、連日心配なニュースが続いていますね。我が家は様々なことを考慮し、今年は残念ですが実家への帰省は見送ることにしました。その代わりオンライン帰省をする予定にしています。
本日は、改めてこれまでも紹介させて頂いている、日本炎症性腸疾患学会が公開しているIBD患者さんが新型コロナウイルスに感染した時の最新のデータを紹介したいと思います。
1. 世界の患者数はどうなってるの?
現在も世界では患者数は増加傾向にあります。特にアメリカやイギリス、ロシアで増加傾向にあります。イタリア、フランス、スペイン、イランなどでは増加が少し落ち着きつつあります。
2. 感染してしまった患者さんの状況は?
現時点で評価できるのはこれまでと同様に、やはり年齢が高いほど重症化と死亡率が上がる傾向です。具体的には50歳代以上から、重症化率も死亡率も増加傾向となります。
3. クローン病と潰瘍性大腸炎の患者さんの違いは?
クローン病よりも、潰瘍性大腸炎の方が入院率、重症化率、死亡率が高い状況が依然として続いています。その明らかな原因はまだ不明です。
4. 治療薬の影響は?
5-ASA製剤(ペンタサR、アサコールR、リアルダR、サラゾピリンRなど)は中止や減量は必要なく、しっかりと使用を継続すべきとされています。先日の私が担当させて頂いた5-ASA製剤のZoom交流会でご質問された方もいらっしゃいましたが、基本的に5-ASA製剤は新型コロナにおいて心配する必要はない、とされています。
依然としてやはりステロイド(プレドニンRやゼンタコートRなど)は重症化率、死亡率が高いため、感染した際には減量、中止が必要です。また現時点では新規に使用する際に注意が必要です。
ステロイドの次に気をつけるべき薬剤は、チオプリン製剤(イムランR、アザニンR、ロイケリンRなど)、TNF製剤(レミケードR、ヒュミラR、シンポニー R)とチオプリン製剤の同時使用、エンタイビオRなどです。
一方でTNF製剤の単独使用(チオプリンの同時使用なし)やステラーラRはリスクはやや低いとの結果が出ています。
ゼルヤンツRを使用中の患者さんは、まだ人数が少ないため評価ができていません。
5. さいごに
もしIBD患者の皆さんが新型コロナウイルスに感染してしまった場合には、必ず主治医に連絡をして、ご自身の病状と治療薬に関してよくご相談することが大切です。
最近は特に様々なニュースが流れて不安になられている方もいらっしゃると思いますが、適切な感染予防(毎食前や帰宅後などの手洗い、アルコールなどでの手の消毒、マスク着用、3密を避ける)に気をつけるだけでかなりの割合で感染を防ぐことができます。そのため過剰に恐れることはありません。
これからも正しく恐れて、何気ない日常において小さいことでも気をつけていき、感染を予防していきましょう。
そして、もし疑問や不安なことなどありましたら、ぜひ私たちのGコミュニティには同じ病気をもつ他の多くの患者さん方がいらっしゃいますので、ご質問などして頂けたらと思います。
<参考>
日本炎症性腸疾患学会ホームページ
「JAPAN IBD COVID-19 Taskforce 第8報_厚労省IBD班 (7月10日版)」
http://www.jsibd.jp/pdf/corona/0710/Weekly_Summary_of_SECURE-IBD_July_10.pdf