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こんにちは。今回はCocoaさんいただいた以下の質問にお答えしたいと思います。

 

<質問>

小さい時からはちみつやローヤルゼリーを日常的に摂取する習慣があります。しかし、fodmapでは、蜂蜜は控えた方がいいと書いてあり、ローヤルゼリーは、炎症を抑えるという話がある一方、引き起こすという論文もあるようで、宮崎先生の見解と海外での対応や認識についてしりたいです。

 

<回答>

ご質問いただきありがとうございます。せっかくの機会なのではちみつやローヤルゼリーそのものも含めて少し詳しく説明させていただきますね。

 

はちみつとローヤルゼリーの違い

はちみつは花の蜜を蜂が加工したもので、主にフルクトースやグルコースなどの炭水化物で構成されています。

 

一方ローヤルゼリーは働き蜂が排出した女王蜂のみが食べるゼリー状の物質で、水分の他、たんぱく質、炭水化物、脂質、塩分やビタミンなど様々な栄養素で構成されています。

 

IBDの炎症とはちみつ、ローヤルゼリーの関係

Cocoaさんも述べられていたように、はちみつとローヤルゼリーについては抗炎症効果が示唆されています。

 

はちみつとIBDについては、これまで人為的に腸の炎症を引き起こしたマウスを用いた研究が数件行われ炎症の抑制が確認されていますが、近年の研究は少なくデータは蓄積されていません。

 

さらにはちみつについては、感染症や喘息など様々な病気に対する”抗炎症”が期待されて研究が行われていますが、「なぜはちみつが炎症を抑える可能性があるのか?」についてはメカニズムが解明されていない状況です。

 

一方ローヤルゼリーのIBDの炎症に対する研究はほとんどないのが現状です。

 

よって現時点では実際にはちみつがIBDノ炎症を抑えるかどうかはまだ十分にはわかっていない状況です。

 

はちみつは食べて問題ないの?

低FODMAP食の観点では、はちみつにはフルクトースが含まれています。そもそも低FODMAP食って何!?という方はこちらの記事:低FODMAP食をご覧ください。

 

しかし、フルクトースが含まれている量が少量であることから、1回の摂取量としてティースプーン1杯(ほぼ小さじ1杯)程度であれば問題ないと考えられています。よって、フルクトースが含まれる食品などを食べて消化器症状が経験されたことがある方は、一回あたりのはちみつの摂取量に気をつけましょう。

 

また一般的にはちみつは砂糖と比べて糖分やカロリーが高いですが、その分少量しか使用しないで済むことも多く、どちらも血糖値の上昇などの作用は変わないと考えられます。


よって砂糖とはちみつに優劣はないと一般的に考えられていますので、お好みで使い分けていただく形で問題ないと思います。

 

その他不明点等ありましたらお気軽にご質問ください。