専門家の記事

今回は以前あやさんからご質問いただいていた内容について解説できればと思います。


<質問> 

野菜や果物などの食物繊維が多く含まれる食事の摂取が勧められることが増えたとありますが、果物を食べるならお腹に優しそうなりんごやバナナがよいのでしょうか?


もともと甘い果物が苦手で、みかん、パイナップル、キウイフルーツなどのすっぱい果物をたべていましたがあまり良くないですか?


特にみかんはすっぱいのとつぶつぶつが消化に悪そうで食べるのを控えています。


<回答>

ご質問いただきありがとうございます。果物がどの程度許容されるかは患者さんごとに、また活動期か寛解期で異なることが多いです。


活動期と寛解期での果物の推奨の違い


一般的にクローン病で狭窄がない場合は、活動期では消化管の負担を軽減するために低食物繊維、低残渣食が推奨されます。


一方、寛解期には徐々に食物繊維の摂取量を増やすことが推奨されます。ご質問にあったみかん、パイナップル、キウイなどは寛解期では問題ないことが多いと思います。


活動期に注意すべき果物


もし活動期に入った場合や消化管への負担が気になる場合は以下の食品の摂取に注意してみましょう。


食物繊維が多いもの:ブルーベリー、ラズベリーなど

皮や種が含まれるもの:みかん、いちご、キウイフルーツなど


ご質問にあったみかんはつぶつぶというよりは皮が消化管に負担をかけてしまう可能性があります。


なお皮や種が含まれる果物は活動期にそれらを取り除くことで消化管への負担を少なくすることが可能です。


他方、活動期においてコメントされていたりんごやバナナなどは皮を剥きやすいので比較的食べやすいかと思います。


以上のように、クローン病、潰瘍性大腸炎ともに自分の状態(活動期vs寛解期)で推奨される食べ物が異なるという点がポイントとなります。


なお、食物繊維については以下の記事が参考になると思います。ご興味があればぜひご確認ください。


https://gcarecommunity.com/article/118


その他不明点等あればお気軽にコメントください。引き続きどうぞよろしくお願いいたします!