専門家の記事

Gコミュニティの宮﨑です。三雲社から隔月で発行されているIBD患者さん向け雑誌「CC Japan」で「IBD患者の栄養摂取を考える」というタイトルで連載させていただいています。

 

CC Japanは、トピックの選択が秀逸で毎回読み応えのある内容となっています。もしご興味ある方はぜひチェックください。

 

https://www.fujisan.co.jp/product/1281681891/new/

 

さて、その連載の中で今回はIBD患者さんから質問の多い「乳製品は避けるべきか?」について寄稿しましたので、Gコミュの方でも掻い摘んでその内容をシェアできればと思います。

 

まず、なぜ乳製品を摂取するとお腹を下すのかについて簡単に紹介したいと思います。

 

乳製品に含まれる乳糖について


乳製品を飲んでお腹を下すと理由は、乳製品に含まれる乳糖が原因となります。乳糖を消化するためにはラクターゼと呼ばれる消化酵素が必要なのですが、このラクターゼの活性が低い場合にお腹を緩くなったり、お腹を下すことがあります。

 

そしてIBD患者さんでは健康的な人と比べてラクターゼの活性が低い方が多いことが研究でわかっています。

 

乳製品は避けるべきか?


ラクターゼ活性が低く乳製品でお腹が緩くなる方は乳製品を避けたほうが良いですが、特にお腹が緩くならない方は乳製品を摂取しても問題ないと考えられます。


実際に乳製品の摂取がIBDの発症や増悪につながるという報告はこれまでのところありません。

 

乳製品にはカルシウムなど体にとって重要な栄養素が多く含まれています。


乳製品を摂取できない場合は、カルシウムが多く含まれる小魚や大豆製品、小松菜などの野菜を意識して摂取しましょう。

 

また乳製品は摂取できるけど脂質が気になるという方は低脂肪乳もおすすめです。

 

ぜひ自分の病状や体質に合わせて、栄養バランスの良い食事を心がけてみてください。