CC Japan4月号に食事の連載を寄稿させていただきました!今回のテーマはオメガ3についてでした。改めてGコミュでもシェアできればと思います。
オメガ3が注目されている背景とは?
IBD患者さんで脂質を気にされる方は非常に多いと思いますが、近年脂質については脂質の種類が大切という考え方が医療従事者や研究者の中で広まってきています。
その中でIBDに良い油と考えられているのがオメガ3です。
オメガ3は、複数ある脂質の種類(脂肪酸)の一種で、魚の油に含まれ、DHA、EPAなどが広く知られています。
オメガ3は小腸で吸収されたのちに細胞の膜の材料となり、血管の収縮をサポートしたり、炎症を制御することを通して、動脈硬化や心臓疾患の予防につながると考えられています。またIBDに対する抗炎症効果も注目されています。詳細は以下の記事をご覧ください。
https://gcarecommunity.com/article/336
オメガ3摂取に関してのポイント
オメガ3はIBDにとって良い影響を与える脂質と考えられていますが、活動期での取り過ぎは注意が必要です。
活動期は一般的に消化管の負担を軽減するため低脂質が推奨されています。オメガ3を摂取したい場合は脂質の量が少ない白身魚などを選択しましょう。
一方、寛解期については、好みに合わせてさまざまな魚を試すことができます。どうしても脂質の量が気になる場合は食べる分量を調整しましょう。
なお、オメガ3はその代謝の過程(オメガ3を体が活用するためのプロセス)で、別の脂肪酸であるオメガ6と同じ酵素を活用することがわかっており、オメガ3を体が有効に活用するためには、オメガ6が含まれる食物の摂取量を減らすことが重要と考えられています。
このオメガ6は、スナック菓子や加工食品、マーガリン、牛肉・豚肉などに多く含まれています。これらの脂質はこれまでの研究から、IBD患者は量や頻度を調整すべき脂質と考えられてもいます。よくこれらの食品を食べる機会がある方は、摂取量をぜひ調整しましょう。
なお、オメガ3のサプリメントについては、IBD患者を対象とした複数の研究が行われていますが、寛解維持効果は検証されていません。
オメガ3はサプリメントからではなくしっかり魚から取ることが大切と考えられています。
以上、今回はCC Japanさんの連載に合わせてオメガ3の摂取について解説しました。
もしご不明点等あればお気軽にコメントいただければと思います。