米国登録栄養士の宮﨑です。今回は前々回のツイッタースペースでも話題になった乳製品について紹介したいと思います。
ーー乳製品って栄養的にどうなの?
乳製品の代表例が牛乳かと思います。牛乳は栄養的にはとても優れています。豊富に含まれている栄養素としては以下のようなものがあります。
・たんぱく質
・カルシウム
・ビタミンB群
たんぱく質は人の体を作る時には不可欠ですし、活動期からの回復などIBD患者さんにとっても重要な栄養素となります。
カルシウムやビタミンB群は体の機能を調整するために重要なミネラルで、特にカルシウムは丈夫な骨を作るためにも必要です。IBDではステロイドの服用による骨密度の低下などが起きる可能性もありますが、骨粗鬆症予防にもカルシウムは重要な働きを担っています。
一方、牛乳には脂質として飽和脂肪酸が含まれているため、アメリカなどでは生活習慣病患者などを中心に低脂肪乳が勧められることが多いです。
ーー乳製品ごとの腹痛・下痢への影響
またIBD患者さんでは牛乳に含まれる乳糖が十分に消化吸収できない乳糖不耐症の人が多いと言われています。
そのような中、牛乳を飲むとお腹が緩くなってしまうが、ヨーグルトやチーズでは問題ないという人も多いかと思います。
これはは乳製品の中でも乳糖の含有量が異なるからです。一般的に牛乳では乳糖が多く含まれており、ヨーグルトやチーズなどでは牛乳と比べて乳糖の含有量が少ないです。
牛乳代替品の中でのおすすめは?
牛乳が飲めない場合の選択肢として、牛乳の代替品がよく使われます。一番有名なものは豆乳ですが、そのほかにもアーモンドミルク、ライスミルク、オーツミルクなど様々なものがあります。
各代替品によって栄養素量が異なるのですが、アメリカでは、体に必要なたんぱく質が牛乳と土曜に多く含まれている豆乳が推奨されることが多かったです。
一方、豆乳が摂取できない場合は、他の牛乳代替品が選択肢となりますが、他の食事からたんぱく質の摂取を意識しましょう。
以上乳製品について紹介しました。乳製品は貴重な栄養源ですが、IBD患者さんの中には摂取しにくい方も多いと思います。牛乳を摂取できない場合はたんぱく質やカルシウムなど不足しがちな栄養素を他の食事からうまく補いましょう。