米国登録栄養士の宮﨑です。今回はIBD患者さんのなかで毎年この時期に話題になる「正月料理との付き合い方」について紹介したいと思います。
親族や家族と一緒に正月料理の席につくことも多いことから、周りの方に気を遣わせたくはないといった声をよく聞きます。
IBD患者さんの場合、体調が良い時は問題ないことも多いと思いますが、久しぶりに正月料理を食べる場合や、少し体調に不安を抱える時は不安が多いと思います。
そういった場合に活用できるのが、食べ方や調理の工夫です。
IBDの食事では「何を食べるか?」に目がいきがちですが、「どう食べるか?」がとても重要です。調理方法を工夫することで、繊維質や脂質の多い食材も美味しく安心して食べられることがよくあります。
また、不安な場合は、少量からよく噛んで食べることが重要です。
以下に正月によく食べる料理に関する食べ方や調理の工夫をまとめていますのでぜひご参考にしていただければと思います。
焼き魚
鯛や鮭は白身魚であり他の魚と比べても低脂質です。また照り焼きにする際には、焼いたときに出てくる余分な脂を拭き取ることで脂質量を少し抑えることができます。
田作り
カタクチイワシの稚魚で作られていて、別名ごまめとも言われています。クルミやアーモンドなどのナッツ類が含まれている市販の場合は、ナッツ類は控えましょう。
かずのこ
歯触りを楽しむものなので調理での工夫は難しいかもしれませんが、少量から少しずつ小さく食べていくと良いかもしれません。
栗きんとん
栗は見た目以上に食物繊維が多く含まれるので食べる量には注意しましょう。少量から少しずつ食べることがおすすめです。
海老
海老のうま味や風味を味わいたい場合は、殻や頭から出汁を取って汁ものや雑炊に利用してみるのがいいかもしれません。
黒豆
皮が気になる方は控えるか、裏ごしして皮を取り除くと安心です。黒豆にはたんぱく質の他に、アントシアニン(ポリフェノールの一種)やカルシウム、鉄分、大豆イソフラボン、食物繊維などが含まれています。体調が良いときには少量を皮ごといただきたいですね。
お雑煮
野菜は細かく刻んで長めに茹でて柔らかくすると安心です。三つ葉、ゆず、しいたけは控えた方が良いかもしれません。お餅もやわらかくするとより食べやすくなります(地域やご家庭によって具材が異なると思いますので、体調が悪いときでも食べられる食材を中心に召し上がってください)
お刺身
漬けにして柔らかくして小口で少しずつ食べると食べやすいかもしれません。生の魚が不安な時はマグロは漬けにして蒸し焼きにするなど、火を通すと安心です。
正月の調理の工夫やおすすめのレシピはIBD患者さんが作成し管理栄養士が解説しているグッテレシピにも掲載されています。ぜひチェックいただければと思います。
https://learn.goodtecommunity.com/
あと本日12/28(水) 19時よりリアルタイムチャット交流会もあります!正月料理などについて不安のある方はぜひ他の患者さんにも質問してみてくださいね^^
https://gcarecommunity.com/room?topic_id=97
もちろん、こちらの記事にもお気軽にコメントの形でご質問いただければと思います。良い年末年始をお過ごしください。