Gコミュニティの宮﨑です。昨日はZoomミニレクチャーに28名もの方にご参加いただき誠にありがとうございました!内容が盛り沢山で少し駆け足になってしまいましたが少しでもお役に立てる情報があったなら幸いです。
さて、今回のZoomミニレクチャーの内容をレポートにして3回に分けて紹介できればと思います。その中で質疑への回答なども含めていければと思います。
第一回目の今回は、「アメリカと日本の違いから学ぶ食事・栄養と治験」という今回のテーマの大前提である、アメリカと日本の医療制度や食事療法の違いについてです。若干ややこしい内容ですので、もし不明点あればお気軽にコメントください。
アメリカと日本の保険制度の違い

*セミナーで提示したスライドの文言を一部わかりやすいように修正しています。
日本では、皆保険制度で全ての患者さんが同じ医療を受けることができますが、アメリカでは、主に所得によって入ることができる保険が異なっていることや無保険の方もいます。
医療費はご存知の通り非常に高いこと(例として杉原さんのコメントでは内視鏡+生検で50万円程度!?)、またどの保険に加入しているかで受けられる医療が異なってくるということが社会問題にもなっています。
またレクチャーの中で質問をいただきましたが、州ごとに保険のカバー範囲や受けられる医療が異なることも多々あります。コロナ前までは遠隔診療の取り扱いについて州によって差があることが議論となっていました。
アメリカで提供される医療の特徴
医療機関によって異なる部分もありますが、アメリカ駐在中のJackさんがGコミュでコメントされているように、アメリカの医療システムの特徴としては、オンライン化、分業体制、雑!?といった点があげられると思います。
オンライン化が進んでいて、血液検査データなどはポータルにログインすると見える形になっていますし、医師にもメールができたりするのですが、メールの返信は逆に返ってこなかったり。。
また一般的に完全予約制になっているので、待ち時間は少ないのですが、その分すぐに診察を受けられないこともあります。
便利な点もあれば不便な点もあるといったところでしょうか。
アメリカと日本の食事療法の違い
また食事療法の観点では、アメリカの公的保険での食事療法の提供は日本同様限定的ではありますが、民間保険については自由度が高く、管理栄養士が揃っている病院や保険によっては過敏性腸症候群やGERDなどの消化器疾患初め、様々な疾患に食事療法が提供されています。
近年はGI Dietitian(消化器専門管理栄養士)も活躍しており、注目を集めています。
アメリカでは日本と比べて食事療法の研究が非常に多く行われており、特にここ5-10年で消化器疾患に対する食事療法のエビデンスの構築や食事と病気の理解は飛躍的に高まりました。学会なども食事に関するガイドラインを発行しています。
上記のアメリカと日本の医療制度や食事療法の環境の違いは、IBDの食事療法、また治験におけるアメリカと日本の違いについても大きな影響を与えていると思います。
次のアメリカと日本における食事療法の違い、また治療の選択肢としての治験についても追ってレポートできればと思いますので楽しみにお待ちください^^
また不明点等あればお気軽にコメントいただけましたらと思います。