質問&おしゃべり

8/29(日)に開催された28名が参加したZoomミニレクチャーレポートの第二弾です。今回は食事部分について紹介します!

 

過去のレポートはこちらから

 

日米の医療制度の違い:https://gcarecommunity.com/article/747

治験の違い:https://gcarecommunity.com/article/764

 

食事・栄養に関する情報量


アメリカではIBD食事に関する基礎・臨床研究が非常に多く行われており、その研究をベースとした食事のガイドラインも存在しています。よって日本と比べて管理栄養士が活用することのできる情報が多いことが特徴です。

 

日本でも一部基礎的な研究などは行われていますが研究数が少なく、特に食事・栄養に関する患者さんを対象とした介入試験はほとんど行われていません。アメリカと比べて日本では管理栄養士がアクセスできる情報も限定的です。このことが日本におけるIBD食事指導が単調になってしまう一因になっているのではと個人的に考えています。

 

海外における代表的なIBD食事のガイドライン


欧米を中心にIBDに関連するガイドラインはいくつか発行されています。その中で特に詳細がまとまっているのが以下2つのガイドラインです。

 

ESPEN(European Society for Clinical Nutrition and Metabolism)ガイドライン

欧州臨床栄養代謝学会から発行されているガイドラインで、IBD術後・入院・外来など広範囲にわたる食事・栄養の推奨がまとめられています。

 

IOIBD(The International Organization for the Study of Inflammatory Bowel Diseases)ガイドライン

IBD研究を国際的にサポートする機関が発行しているガイドラインで、IBDの食事に関する推奨について、具体的な食品レベルまでの科学的根拠や推奨をまとめているのが特徴です。Gコミュニティでもたびたび引用しています。

 

海外でのIBDの食事の推奨について


寛解期・活動期別に推奨が異なるのが特徴です。Gコミュニティではこの海外でのIBD食事の推奨をベースに情報提供を行なっています。各栄養素の推奨については以下のリンクの記事をご確認いただけましたらと思います。

 

https://gcarecommunity.com/article/80

 

また今回は多くの事前質問にもお答えしました。今回はその中の一つ、寛解期の食物繊維に関する質問を共有いたします。

 

寛解期に食物繊維は摂取しても問題ないか?


以前は寛解期も食物繊維を制限することが勧められることがありました。しかし現在は、寛解期で狭窄がない場合、消化器症状を確認しながら食物繊維の摂取量を少量から徐々に増やし、健康な方と同程度の摂取量を取ることが推奨されています。


寛解導入直後など不安な場合は、皮や種などを取り除き繊維質なものは細かく刻み、柔らかく茹でるなど調理の工夫が大切です。


また水溶性食物繊維が豊富に含まれている野菜を許容できることが多いです。食品ごとにどこまで体が許容できるかについても個人ごとに異なることも多いので自分に合った野菜を選択しましょう。

 

IBD寛解期に対する研究が行われている食事療法


IBD寛解期の食事療法については多岐にわたる研究が行われています。具体的には、低FODMAP食、CDED、CD-TREAT、地中海食などです。その中でも今回は低FODMAP食と地中海食について詳しくお伝えしました。以前記事でもお伝えしたことがあるのでご興味ある方はご確認ください。

 

低FODMAP食:https://gcarecommunity.com/article/168

 

地中海式食:https://gcarecommunity.com/article/450

 

以上3回に分けてイベントの内容を紹介しました。一回に非常に多くのトピックを詰め過ぎてしまった感はあるので、次回Zoomミニレクチャーを開催する際はトピックを少し絞って掘り下げる形で行えればと思います。

 

今後も何かIBDの食事や治験について質問あればお気軽に投稿・コメントいただければと思います。

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