質問&おしゃべり
みなさんこんにちは。寒い日が続きますが、いかがお過ごしですか?
1/29(土)14:00-16:00に行われた、田辺三菱製薬株式会社・株式会社ジーケア共催の就労イベントのご報告をします。
今回も1時間のパネルディスカッションだったので、分割して投稿いたします~。
【参加人数】
〈パネルディスカッション〉
登壇者含む患者さん、もしくはご家族:44名
今回は50名を超える方に事前申し込みをいただきました!
当日もたくさんの方にご参加いただき、誠にありがとうございました。
【内容】
1.パネルディスカッション
IBD患者のKenさん(UC)/しんちゃんさん(CD)/ラン(UC)によるパネルディスカッション
(今回は私、ランが登壇者として参加させていただきました)
ファシリテーター:就労支援ネットワークONE 中金竜次氏
登壇者の方と中金さんのご紹介は、以下のサイトをご覧ください~。↓
https://gcareglobal.com/event-2/
自己紹介の後、以下の内容についてお話しいただきました。
①就職・転職時に病気のことは開示しましたか?
ラン:今まで何回か転職と、同じ会社の中でも異動したこともあるが、全て履歴書などに病気のことは書いて、オープンにした上で就労している。
安心できるかどうかが一番かなと私は思っていて、例えば今は落ち着いていて日常生活に支障がない人が伝えずに心地よく働けるならいいが、
私は活動期から寛解期になって間もない就職だったり、体調のアップダウンが良くあるので自信がなかった。
「自分が安心できる=長く働ける=職場に迷惑かけず、責任を持って働ける」だと思う。
悪くなる可能性がある以上、病気を伝えた上で入るのが自分なりの誠意だと思ったので伝えている。
Kenさん:転職したことはないが、転勤を8回くらい経験している。そのうち病気になってから配置換え含め3回転勤した。
発症時はいきなり入院したので、周りに迷惑をかけた。基本的に病気のことはオープンにしていて、転勤時も次の職場に情報開示している。
製薬会社で働いているので薬のことは周囲も知識はあるが、IBDについては理解しづらいところはたくさんある(治るでしょ?普通の生活できるでしょ?など)。
そういうところの正しい理解が得られるよう、話すようにしている。
特に注意しているのは、トイレの回数が普通の人より多いことをきちんと説明し、回数が増えている時は悪化してるんだなと知ってもらうようにしている。
中金:異動後、誰にどう伝えるのか。
Kenさん:上長にまずは理解を求める。あとは、一緒に仕事をする同僚。一番近い存在の人に話す。
自己紹介のスライドを転勤の度に作成し、転勤や配置換えがあったらそのスライドを使用してUCについて開示するようにしている。
しんちゃん:2010年に入社して入社日に倒れ、タクシーで人事部長に家まで送ってもらい、翌日から入院した。
元々障害者採用だったので、病気だというのは担当者は知っていたが、まさか入社翌日入院とは思わなかっただろう。
4ヶ月入院し、退院後にマニュアルを作って全員に配った。A4二枚に、CDとは、治療計画や通院頻度、入院した時の退院目安などをまとめたもの。
入社3年目ぐらいまでは続けたが、自分が会社に根付いたので、それ以降はやっていない。
中金:病気のマニュアルを作って共有することについてどう思うか、ランさん?
ラン:私も作っている。紙にまとめて、どういう病気でどういう配慮があると嬉しいということを書いて渡す。
とりあえず、一緒に働く上長にはしっかり伝えるため。
異動時も、新しく関わる上の人に提出する。その際は、マニュアルを渡すと同時に、自分がその症状を抑えるためにどういった努力もしているかを伝えるようにしている(UCで倦怠感があるが、早く寝るようにして体調管理しているなど)。
配慮事項としては、例えば通勤に時間がかかる職場が多かったので、出勤時間の調整や経路の調整をお願いした。
中金:周りの反応は?
ラン:私の場合は、出してもダメだと言われたことはない。直属の上司や一緒に働く人に病気を伝えておくことは、一緒に働いて関係性を作っていく上で大切なような気がしている。長く働きやすくなるのではないか。
こちらがきちんと話すと、お腹の病気って大変だよねと共感されたり、思ってもなかった反応が返ってくることがある。
「あなたは患者さんの気持ちがわかると思うから、そこを生かして働いてほしい」と言ってもらえたこともあった。
思いもしないコミュニケーションが生まれるかもしれない。
中金:合理的配慮をもらう上で、配慮の内容は当事者から伝えなければならない。伝えた時の心理的なシミュレーションとして、ランさんの話を聞けてよかった。
Kenさん、伝える時の同僚の反応っていかがですか?
Kenさん:病気について否定する人は非常に少ない。単身赴任なので通院のため有給休暇をもらっているが、我々の年代は休まないことの美学を持っている人も多い。
社会が休暇推奨の傾向となってきているところに助けられている。
ただ、出なくてはならない会議を通院のため休まなければならない、代役を立てなければならないこともあるので、工夫している。
しんちゃん:CDって何?と言われることが多い。自分は障害者というラベルがあるのでそこから入るが、労わってくれるような反応が多い。
CDについては詳しいことは言わずに、お腹の病気で1年に1回くらい入院するんですよねと伝えると、大変さの度合いが端的に伝わる。
同部署にいても業務の近さは違うので、業務的に近い人にはさっきのマニュアルのような分量で、あまり関わらない人には軽く伝え、説明のボリュームを変える。
中金:相手によって伝えるレベルや内容を変えているのですね。人事部で働いて、気づきや変化は?
しんちゃん:自分は採用担当ではないが、障害者採用は定期的に行う。内部疾患は会社側としては雇用しやすいのではないか。
特別なオフィス環境の整備の必要がないので、どういった配慮がほしいかということをちゃんとこちらが伝えれば、その配慮するだけで良い。
人事側としては雇用がしやすいのではないかという知見を得ている。
病気の開示/非開示はいつも話題になりますね。
いつも登壇者の皆さんそれぞれのお考えがあり興味深いのですが、今回は全員が開示、そして紙やスライドにまとめて伝えるという共通点がありました。
皆さん工夫をしながら伝えているようです。
長くなったので今回は以上です。
後半の様子は次回をお楽しみに~!