コロナで普段より自宅にいることが増えて、体がなまったり、フラストレーションを感じている方も多いかと思います。
ところで、皆さま、他のIBD患者さんがどの程度運動を行なっているか気になりませんか?こちらは以前ご依頼させていただいた運動に関するアンケート結果です。
「普段どのくらいの運動(ウォーキング含む)をしていますか?」(総回答数:37)

運動をほとんどしない方が43%程度だったのに対し、運動を週3-4回以上する方は、50%以上に達しました。さらに毎日何かしらの運動をしている方も30%を超えており、コロナの影響がある中でもしっかり運動されている方が多いことが伺えました。
ちなみに平成27年の国民調査において、1回30 分以上の運動を週2回以上実施している人は、男性で38%、女性で27%となっていたので、健常な方と比べても、むしろ積極的に運動されている方が多いと言えるかもしれません。
一方、海外においてIBD患者さんの運動量に関する調査はそこまで行われてはいないものの、これまでの研究では、IBD患者さんの運動量は、健常の方と同程度か低いという報告が多くなっています。
IBD患者さんにとって運動は有益なの?
これまでのIBDと運動に関する研究をまとめた論文(1)では、これまでの研究で運動がIBDの発症リスクを低下させるという報告はありますが、まだ明確なことがわかっていないとのことです。
ただ、この研究者によると、軽症か中等度のIBD患者さんを対象とした複数の研究から運動はIBD症状の悪化などに繋がらないことが示唆されていることに加え、運動そのものは一般的に免疫機能を高めることが示唆されていることから、IBD患者さんにとっても有益である可能性が高いとのことでした(1)。
ぜひ症状が落ち着いている時に、可能な範囲でウォーキングなどをしてみてはいかがでしょうか。また自分が運動をして良いか迷っている時は主治医や担当の看護師さんに電話などで相談してみてください。
そして、言わずもがなですが、ウォーキングの際はくれぐれも人混みを避けましょう。時間帯やルートを工夫すると良いかもしれませんね。
しばらくは外出規制なども続きそうですが、体調を維持しながら健康的に過ごしていきましょー✊
参考文献
(1)Engels M, Cross RK, Long MD. Exercise in patients with inflammatory bowel diseases: current perspectives. Clin Exp Gastroenterol. 2018; 11: 1–11.