質問&おしゃべり

現在就労ピアコーチという先輩患者さんのZoom面談による就労に関するお悩み相談をトライアルで行っています。

 

今回は、昨年10月に潰瘍性大腸炎を発症したばかりのIto202010さん(男性20代)から就労に関する相談があり、先輩患者であるabqさん(クローン病・40代女性)、Pentaさん(潰瘍性大腸炎・30代男性)、まちさん(クローン病・20代女性)が参加してZoom面談が行われましたので、その面談内容の一部を抜粋してコミュニティ内で紹介させていただきます。

 

Ito202010さんの状況:現在26歳で営業の仕事に従事。昨年10月に発症後症状は落ち着いている。ただ営業職で客先に行かなければならないことも多くストレスもかかるため転職も検討している。病気と付き合いながらどう仕事を両立していくのかが不安。

 

ーー会社にどのように病気を伝え、仕事・職種をどのように選んできましたか?

 

まちさん:

事務職で研修を企画したり運営したりする部署にいます。事務所での仕事が約半分程度ですが、研修運営に関する講師との打ち合わせなど外出しての打ち合わせも多いです。

 

就職活動は病気を開示して行いました。病気のことを開示して嫌な顔をされる会社は行かない方が良いと思っています。実際に病気のことを話したときに変なリアクションされた経験もあります。

 

また私は学部・大学院と就職活動のタイミングが2回ありました。学部の時の就職活動では病気のことを伝えなければという気持ちが強かったように思います。

 

その後大学院時の就職活動では、少し考え方が変わりました。病気そのものを正しく理解してもらうよりも症状が悪化した際に会社としてどのような対応が必要なのかを伝えることにしました。もちろん可能性の話はしなければなりませんが、症状が悪化した際、職場や仕事にどのような影響が出るかを会社に理解してもらうことが大切と考えました。

 

その一方でどんなことが得意なのかという強みもしっかり伝えました。例えば私は病気と付き合う中で、目標に対して計画を立ててしっかりこなしていくという強みが身についたのでその点をしっかりアピールしました。企業側は、弱みだけではなく強みもしっかり見ようとします。病気のことだけではなく強みをしっかりプッシュすることは大切だと思います。

 

また、職場の上司や人事には病気であることを伝えています。幸い今まで大きな再燃はしていませんが、お腹が痛くなった場合は仕事を抜ける可能性があると伝えています。また上司以外の人へ自分から病気は開示していませんが、聞かれれば病気のことを話しますし、会議中などにトイレに行きたくなった時はお腹が痛いのでと素直に伝えて対応しています。

 

Pentaさん:

私はまちさんとは異なり就職してから潰瘍性大腸炎を発症しました。発症前までは営業事務をやっていて外勤することもありましたが、発症後に当時の上司や総務の人に相談し、社内で内勤中心の部署に異動させてもらいました。

 

現在の部署は全ての業務を社内で行うためトイレの制約などはありません。ステロイドを使っているので、症状に合わせてステロイドの投与頻度が増える時は、通院頻度を増やさなければならないこともあるので、自分が抜ける可能性があることを伝えるとともに、実際に自分が業務を抜けても迷惑がかからないように準備をしています。

 

世の中の1/3の人は何かしらの病気を抱えていると聞いたことがあります。病気の種類や悩みは当然違うと思いますが、それぞれの方が病気と向き合いながらできることにフォーカスしながら働いていると思いますので、過剰に意識しすぎる必要はないかもしれません。

 

abqさん:

私は転職経験4回で現在は週3日テレワークで勤務しています。転職の際は病気を開示していました。

 

クローン病を発症したのは高校生の頃です。大学卒業後フルタイム勤務を自主退職し、その後いくつか期間限定の契約の仕事を経てカフェスタッフとして働き出しました。

 

その後症状が落ち着いた時に事務職的な仕事を探してITエンジニアに興味を持ち県が主催していたITエンジニア育成の研修に参加し、知識を得てエンジニア関連の会社に就職しました。しかし再燃して退職したことをきっかけにテレワークの仕事を探し、今の職種を紹介してもらい現在の職場に就職しました。事務職ではありますがエンジニア関連の知識も活かしながら働いています。

 

今の職場は病気に対する理解もありフレキシビリティも高いので、通院についても問題はありません。またこの前入院していた時も許可を得て体調が良いときは病院から仕事をしていました。

 

ーー病気と仕事を両立するためにどのような工夫を行っていますか?

 

abqさん:

仕事でストレスがたまらないようにしています。仕事に取り組む中で疲れが取れにくくなってきたと感じたら仕事のペースを落としています。私の場合は疲れが溜まると腸の動きが悪くなって食欲がなくなるので目印になっています。さらにお腹が痛くなり始めたら、外食控えることや、食事の回数を減らしてお粥とうどんに切り替えます。そしてよく寝るようにしています。また通院スケジュールも考慮して仕事をするように調整します。

 

Pentaさん:

1年に1回くらい再燃になり、その場合はステロイドの投与のために週に1回仕事を抜けることになるので、自分が抜けることを話した上でできるだけ自分自身でも再燃を抑えるようにしています。

 

例えばトイレの回数等を日々記録していて、体調の良い時の平均と悪い時の平均の差が出ることがわかってきました。そこで平均値が高まってきたら食事気をつけたり、残業をセーブしたりしています。

 

また病気と付き合う中で、患者さん個々人によってNG食品と呼ばれる、食べると腹痛や下痢などの消化器症状につながる食べ物が徐々にわかってくるので、何をすると体調を崩すなどが掴めるようになると体調管理もしやすくなると思います。

 

まちさん:

私はクローン病の発症時が症状のピークでした。長く寛解状態が続いています。長く患者として生活していても、普通の人がお腹痛くなる感覚とIBDの腹痛などの症状の区別は難しいです。特に疲れてくると腹部膨満感等症状が出るので、残業せずに帰るようにしています。

 

また私の場合は食べ物によるストレスよりも、嫌なことがあったなど精神的なストレスが症状に影響を与える傾向にあるので、精神的なストレスがかかったと感じたら、映画を観にいくなど気分転換をすることにしています。

 


そのほかにもざっくばらんにディスカッションが行われるなど和やかな雰囲気で交流が行われました。

 

Ito202010さんからは就労の部屋で先輩患者にお礼のメッセージもいただきました。

https://gcarecommunity.com/room?topic_id=59

 

この就労ピアコーチは2月中までトライアルとして行っておりますのでご興味がある方はぜひ下記フォームからお申し込み頂けましたらと思います。

 

https://docs.google.com/forms/d/1UtghrgxZVHUYiyCWbcR1FjiYPVhRGY690UcWtnuIE6U/edit

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