こんにちは。今日はまみさんから頂いた以下の質問に回答いたします。
<質問>
入院するとき絶食や食事制限をすることによってなんの効果がありますか?
<回答>
まみさん、ご質問いただきありがとうございます。入院時の絶食や食事制限について疑問を持たれている方は他にも多くいらっしゃるのではと思います。
絶食について
IBD患者さんが入院される場合、炎症がひどく消化管が安全に使用できないことも多いです。このような場合は、腸の安静を保つために絶食が選択されることが一般的です。この場合は、患者さんが必要な栄養が摂取できなくなるため、静脈栄養(静脈から栄養を投与すること)と組みわせることが一般的です。
ですが、絶食を長期間続けると、腸の粘膜が萎縮することや腸管免疫能が低下するなどの問題が生じる可能性があるため、徐々に経腸栄養や食事からの栄養摂取に切り替えていきます。
経腸栄養やその他の食事制限
成分栄養剤のエレンタールなどの経腸栄養についても、消化管の負担を軽減すること、および食事から必要な栄養を十分に摂取できない場合に栄養を補給することを目的として使われることが一般的です。
特にクローン病に対しては、日本におけるこれまでの研究で、経腸栄養療法の寛解導入および寛解維持効果が認められているため、日本のガイドラインなどでも推奨されています。
その他の入院時のIBDに対する食事制限・食事療法については、まだ科学的根拠が十分ではないものも多いですが、少しずつ研究が蓄積されてきているのが現状です。概要は増悪期の食事をご確認頂けましたらと思います。
また食事に関して不明点や疑問点等ありましたらいつでもお気軽にコメント頂けましたらと思います。