12/26の名古屋IBD様・みえIBD様との合同イベントに多くの方にご参加いただきありがとうございました。概要はこちらをご覧ください。
https://gcarecommunity.com/article/835
一方で参加したかったけど出られなかったという話を複数頂いておりますので、内容についていくつか記事として紹介いたします。今回はIBDの食事療法についてです。
IBDに対する食事指導の内容が統一されにくい理由
IBDに対する食事指導の内容が先生や管理栄養士によって異なることを見かけたことがある方も多いかと思います。理由の一つとしては、まだIBDと食事の関係についてもわかっていないことが多いことがあげられます。
IBDに限らず病気に対する食事療法のエビデンスを構築することは非常に難易度が高いと言われています。さまざまな理由がありますが、そもそも食事内容そのものを長期間コントロールすることが難しく、研究を行うためには膨大な費用がかかります。
またIBDについてはそもそも病気のメカニズムが解明されていないこともあり、そのような中で食事との関係を探ることは非常に難しいと言えます。
その結果、IBDの食事療法については特に日本において統一された見解が少なく、IBD食事療法に関するガイドラインなども存在しないため、さまざまな先生がさまざまな見解を持つことが多いと考えられます。
海外ではIBDに対する食事療法のガイドラインは存在するの?
では海外においても食事療法のガイドラインは存在しないのでしょうか?実は存在しています。
海外においては日本と比べてさまざまな研究(細胞や動物を使った研究や患者さんを対象とした研究など)が行われています。もちろんまだ解明されていないことは多いものの、これまでの科学的なエビデンスや臨床経験をもとに専門家がガイドラインとして推奨をまとめています。
例えば欧州臨床栄養代謝学会が発行しているガイドラインでは入院中や術後含めた食事の推奨が細かく記載されています。
またコミュニティで紹介させていただくことも多い国際的なIBDの研究をサポートする機関IOIBDが発行しているガイドラインでは、食事や食品に関する具体的な推奨が記載されています。
海外ではこのようなガイドラインをベースに管理栄養士が食事指導を行うことが多いです。よって、日本と比べて、比較的統一した見解を医療従事者・特に管理栄養士が持っている印象です。もちろん人によって独自の見解を持たれていることもあると思いますが、参照できるガイドラインが存在することは大きな違いと思います。
おわりに
今後は日本においてもこれらのガイドラインが推奨されることも多くなってくると思いますし、将来的には日本においても食事に関するエビデンスが構築され、食事指導の共通の指針のようなものが出てくることが期待されます。
引き続きGコミュニティでは海外でのガイドラインや研究も含めて情報提供を行っていければと思いますし、Gコミュとしてもエビデンス構築に何らかの形で貢献できればと思います✊
ご不明点等あればお気軽にコメントください。