こんにちは。今回は匿名で頂いた質問に回答いたします。
<質問>
いつもお世話になっております。 果糖が腸にあまりよくないとの記事を見かけました。よくわからないので詳しく教えてください。 よろしくお願いします。 ・どのぐらい摂取すると良くないのでしょうか? ・フルーツなどに含まれる果糖はそれほど問題ないのでしょうか? ・人工甘味料と比べるとどちらの方がよくないのでしょうか?
<回答>
ご質問いただきありがとうございます。インターネットで果糖に関する記事を見て不安になられたのではと思います。
特にTwitterなどで一つの研究をベースとして結論づけるような表現が使われている記事も多いですが、広く医療従事者の間でコンセンサスが得られていないものも多くあります。
もし不安に思われる場合はぜひ様々な情報を複合的に収集頂くか我々も含めた医療従事者にご確認頂けましたらと思います。今回はご質問頂いた果糖、フルーツ、人工甘味料とIBDとの関係についてそれぞれ回答致します。
果糖の摂取とIBD
果糖とIBDに関してはまだ十分な研究は行われていません。IBDに対してどのような影響があるのか、制限した方が良いか否か含めて明確なコンセンサスは得られていない状況です。
フルーツの摂取とIBD
ご質問にあるようにフルーツにも糖分(果糖)は含まれますが、フルーツにはその他に食物繊維や抗酸化作用を持つファイトケミカルなどIBDに有益と考えられている栄養素も多く含まれています。
実際フルーツそのものの摂取については、数万人を対象として長期的にIBDの発症や食べ物の摂取を観察した研究などで野菜とフルーツが有益であることが示されており、特にクローン病において狭窄リスクがない限り寛解期に野菜とともにフルーツの摂取量を増やすことがガイドラインなどでも広く推奨されています。
人工甘味料とIBD
こちらは以前杉原さんが執筆された記事「IBDと食品添加物」にも詳細が記載されていますが、人工甘味料は動物実験や細胞を使った研究で腸の炎症への影響が示されています。2020年に発行されたInternational Organization For the Study of Inflammatory Bowel Disease(IOIBD)という国際的なIBD研究会議が発行しているIBDと食事に関するガイドラインにおいても、エビデンスレベルは低いと記載があるものの人工甘味料の摂取を控えることが推奨されています。
よって、果糖・フルーツ・人工甘味料という観点では、特に人工甘味料については過度の摂取を控えることが一般的に勧められると思います。
また何か不明点等ございましたらお気軽にGコミュニティでご質問頂けましたらと思います。