今回は、おしゃべり広場でくわっちさんから頂いた出産後に体重を減らすダイエットに関するご質問にお答えします。
<質問>
IBD患者(寛解期)のダイエットで気をつけたほうがよいことはありますでしょうか?
現在153cm52kg体脂肪率30%前後で、目標は46-48kg、体脂肪率25%以下です。
食事は普段から寛解期でも低脂質低残渣食で、肉類は鶏肉のみ。乳製品とおなかの相性がよくないので、現在はソイプロテイン1日15gを追加しつつ、炭水化物(主に白米)少なめ、蒸し・茹で野菜多めで調整しています。
体調がよいのをいいことに産後お菓子食べまくってたらふっくら体型になってしまったので(笑)、1日30分の腹筋背筋トレーニングからコツコツやっています。
手軽に取り入れられることや気をつけるポイントなどあれば教えてくださーい!
<回答>
くわっちさん、ご質問ありがとうございます!ここではいくつかクローン病・潰瘍性大腸炎含むIBD患者さん全般の出産後の減量について一般的な情報をお伝えしますね。
出産後に減量すべきか
体脂肪率気になる部分もあるかと思いますが、出産で体脂肪が増えるのは生理現象なのでどうかストレスを感じずに。
妊娠後は意識しなくても半年一年かけて徐々に体重が減っていくこともあります。またIBDで活動期を比較的頻度多く経験される方の場合、活動期に体重が減ると低体重になるリスクもありますので、出産後に減量が必要かどうかは主治医の先生と話された方が良いと思います。
出産後の減量における注意点
減量に取り組む必要がある場合は、一般的に出産後の減量では一般的に6週間は待ってから取り組むことが勧められます。出産から体が回復しなければならないからです。(くわっちさんはすでに6週間過ぎていると思いますが皆さんに向けての情報です。)
また急激な体重減少は避けることが勧められます。特に母乳を与えている場合は体重を1ヶ月で2kg以上落とすことは控えるよう推奨されています。
食事のポイント
どう体重を落とすのかと言うことですが、一般的に食事を整えることと運動量を増やすことで体重を減少させます。
食事については健康的なバランスの良い食事が大切です。
寛解期で狭窄がない場合は、くわっちさんも取り入れられているように野菜や豆類などの摂取量を増やすのがポイントとなります。野菜は低カロリーであることに加え、含まれる食物繊維が満腹感につながるので、全体の食事の量が減ります。
また野菜や豆類を食べる場合は、くわっちさんが実践されているように、体調に合わせて調理方法を工夫することも大切です。
どうしても食べ過ぎてしまうという方については、よく噛んでゆっくり食べることがお勧めです。テレビなどをつけずに食事に集中しゆっくり食べることで、食品の味を楽しむことや満腹感を得ることができ、結果的に食べる量が減ることが多いです。
また小さめの食器を使うことがお勧めです。例えば子供向けの食器をあえて使うことで食べ過ぎを減らせることも多いです。
お菓子の減らし方
お菓子を減らすことも重要なポイントです。お菓子を減らすのは誰にとっても難易度が非常に高いのでできることから取り組むことが大切です。(すでにくわっちさんはお菓子を食べていないかもですが念のため。)
お菓子の代替としては、健康的な間食がお勧めです。具体的にはフルーツやナッツ類、また豆乳ヨーグルトなどです。上記については許容できるかいないかが患者さんによって異なりますので、消化器症状が出ないことを確認しながら少しずつ試してみましょう。
またお菓子を減らすには”環境”を整えることも大切と考えられています。人は目の前にあると、手にとってしまうので、お菓子を目に見える場所から排除し(棚にしまうなど)、健康的な間食を手に取れるところにおいてみましょう。最終的には家からお菓子を全て排除できるとベストだと思います。
なお食欲などの波は数分程度で収まることもあると言われます。お菓子を食べたくなったら10分我慢してから食べるなどのルールを作ると、実際に10分待っているうちに食べようとする気持ちそのものが無くなったり、実際に食べても食べる量が減ることもあります。
運動に関する注意点
体重減少に関してもう一つ重要なのが運動です。運動は患者さんの状況によって異なりますが、IBD患者さんの寛解期において推奨されることが増えています。
運動はエネルギーを消費することに加えて、基礎代謝を上げるなど体重減少に重要な役割を担います。歩く距離を増やす、自転車を使う、ヨガ、テレビを見ている間は腹筋を続ける、動き続けるなどなど、できることに取り組んでいきましょう。
ですが運動が推奨されるかどうかは患者さんの状況によって異なりますので、運動量やその内容についてぜひ主治医の方と相談されてみてください。
少し長文になってしまいましたが、少しでお役に立ちそうな情報があれば幸いです。また何かあればお気軽にご質問ください。