専門家へのお悩み相談

Gコミュニティの宮﨑です。先日クローン病患者さんの母親の方と診断後の食事についてお話しする機会がありました。同じような悩みを抱えられている方も多いかと思うので内容を要約した形でシェアさせていただきます。


質問:


息子がクローン病と診断されて以後、低脂質や低残渣の食事を続けているが、いつまで続けなければならないのか?今後食事をどのようにしていけば良いのか?


回答:


IBDの食事に関する考え方


現在、クローン病や潰瘍性大腸炎の食事に関しては、活動期には制限が推奨されることが多いですが、症状が安定している寛解期には厳しい制限を続けるのではなく、食事のバラエティを増やしながら栄養バランスの良い食事が薦められることが多いです。(クローン病で狭窄がある場合については寛解期も繊維質のものの制限が推奨されることが一般的です。)


炎症がある活動期(再燃期)は消化管を休めるために低脂質、低残渣・食物繊維の食事が推奨されることが多いです。また体の回復のためにたんぱく質を多く摂取することが推奨されています。


一方、炎症が落ち着いた寛解期は、食物繊維や健康的な脂質などを含めたバランスの良い食事が推奨されています。栄養バランスを整えることは、ビタミン・ミネラルの摂取などにもつながり、体調全般を整えることにもつながります。


また寛解期における過度な食事制限は、患者さんにとってのストレスの原因にもなりますので注意が必要です。


食事のバラエティを増やす方法


野菜や果物、その他活動期に食べていなかった食事を取り入れるときは、焦らずに少量から少しずつ、時間をかけて増やしていきましょう。


食物繊維が不安な場合は調理テクニックが役に立ちます。繊維質のものは細かく刻んだり、煮て柔らかくするなどの工夫が有用です。


食事は個人差があることを意識


なお、寛解期においても、患者さん個々人で症状に合わせた食事は異なることが多いです。


無理な食事をした場合にその前後の食事の量を減らすことで調子を整える方。脂質の量に気を使う方。症状が出る食品を特定してその食品を避けながらも食生活を楽しまれている方などなど。


IBDの食事では、寛解期と活動期の食事のポイントや科学的に良いと言われている食事を意識しつつも、ご自身の体調に合わせた食事を模索していくことが大切です。


潰瘍性大腸炎の食事療法については以前杉原先生がまとめていましたのでそちらもご参考になさってください。


https://gcarecommunity.com/article/444


もしご不明点等あればお気軽にコメントください!

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