患者体験談

治験に参加された、のめさん(潰瘍性大腸炎・男性)から体験談をご寄稿いただきました。治験参加経緯や参加後の具体的な内容が記載されていて参考になる方も多いと思います。ぜひご一読ください。

 

ジーケアスタッフ

 

 ーー治験前の状況


治験に参加したのは大学2年生の時でした。潰瘍性大腸炎の師団を受けたのは15歳の時です。それからペンタサ顆粒、サラゾピリン、メサラジン、リアルダ、プレドニゾロン、レクタブル注腸、さらには白血球除去療法も行いましたが、症状が改善しない状況が続いていました。

 

ちょうど白血球除去療法で効果が見られなかった後に主治医の先生から治験の話を受けました。症状の改善が見られなかったことと、20代と若く、なおかつ通院の習慣が身についていることが理由と話されました。

 

当時はクリニックで治療を受けていたのですが、主治医が大学病院でも外来を持っていたことから、治験を受けるために大学病院に転院して治験に参加する形となりました。

 

ーー治験に参加するかどうかの判断


主治医から治験の話を受けた時非常に興味を持ちました。これまで症状が改善したことがなく、症状が改善する可能性があったからです。副作用に関するリスクの説明も受けましたが、自分自身がこれまでの薬剤で副作用を経験したことがなかったのであまり気にはしませんでした。

 

プラセボ(偽薬)に当たる可能性については若干気になりましたが、主治医の先生もわからないと言っていたのと、既存の治療は継続できるとのことでしたので、問題ないだろうと思いました。

 

家族とも相談ましたが、特に反対されることはなく、治験への参加を決めました。

 

ーー治験開始までのプロセス


まず治験に該当するかを確認するために2,3回病院に行って内視鏡、レントゲン、血液検査等々を行いました。一ヶ月ほどかかったと思います。適応外だったらごめんなさいと治験コーディネーターに言われましたが無事該当が確認されました。

 

ーー治験開始後


治験薬は飲み薬でしたので基本的には自宅で服用し2週間に1回通院しました。

 

一回の通院は90分から2時間程度でした。まず採血を行い、結果が出るまでの間は治験コーディネーターから2週間の振り返りの面談があり、その中で100問程度のアンケート調査も定期的に受けました。また治験薬が錠剤だったことから、毎回箱を持っていって錠剤を飲んだかの確認がありました。

 

血液検査の結果が出た後に、主治医、治験コーディネーターとともに診察を行い会計という流れでした。

 

通院頻度は高かったですが、学生でスケジュールの融通を利かせやすかったことと、負担軽減費を通院ごとに受け取っていたので特に不満はありませんでした。

 

また、端末を手渡されて毎日便回数などの症状を5-6個記録することが求められました。記録が漏れると夜にアラートがなる仕組みで、徹夜で飲んだ時に記録を忘れたこともありましたが基本的には継続して記録を行うことができました。

 

治験コーディネータはとても親切丁寧に対応して頂きました。一度部活での激しい運動が原因で血液検査で異常値が出た時などはすぐに電話がかかってきました。

 

ーープラセボ→治験薬投与への変更


私が参加した治験では、8週間ほど治験薬もしくはプラセボの投与を行なった後に、治験を継続するかどうかの意思決定があり、その後は必ず治験薬が投与されるという流れでした。

 

初めの8週間で効果を実感できなかったのでプラセボではないかと感じていました。そこで治験薬投与を選択しました。

 

治験薬を投与して2ヶ月程度で効果の検証がありました。個人的に効果があったと感じていましたが、主治医が求めるほどの改善に至らなかったことからそこで治験は終了となりました。

 

ーー治験終了後の治療


治験後はすぐにヒュミラを投与しましたが、副作用が出たため、ゼルヤンツに切り替えて現在に至っています。

 

ーー治験を通して学んだこと、得たこと


治験期間はいい意味で自分の体や症状と向き合えた時期でした。症状記録を毎日行っていたので、食べ物やハードな飲み会の後は症状が悪化することなどを確認することができました。また短期間に内視鏡を3回実施できたこともよかったです。

 

また元々1-2ヶ月に1回通院していたので2週間に1回の通院もあまり負担ではありませんでしたが、社会人になった後だと若干負担になるかもしれないと思いました。

 

いずれにせよ、症状が改善する可能性がある、効果が期待できる新薬の投与機会は非常に魅力的で、また状況や条件があった場合は検討したいと思っています。

 

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