質問&おしゃべり

今回は4/18(日)に開催された消化器専門医の堀田先生の「生物学的製剤と新薬・治験」に関する医療Zoom講演会の内容を簡単にシェアしたいと思いますー!当日は20名弱の方にご参加いただきました。誠にありがとうございます!

 


生物学的製剤と新薬・治験について


まず初めに堀田先生から、改めて潰瘍性大腸炎・クローン病における生物学的製剤の治療上の位置付けについて紹介がありました。

 


特に治験薬自体はピラミッド全ての治療薬をカバーしうることがあるので、様々な重症度の患者さんが対象となり得るとの話がありました(例えば5-ASAの新しい治療薬が開発中の場合は軽症患者も対象となり得るし、生物学的製剤の新しい治療薬であれば重症の患者も対象になり得るとの意味合い)。

 

今多くの患者さんに処方されているステラーラやエンタイビオも治験というプロセスを経て現在に至っているとのことです。

 

また現在の治療で効果が見られていない患者さんにとっては新しい治療の選択肢となり得るとともに、治験薬ごとにそれぞれ特徴があるため、主治医の先生とともに患者さん個々人にあう治験薬の選択が必要とのことです。

 

その後患者さんから受け付けた事前質問に対するQ&Aに移りました。ここではいくつか絞って報告します。

 

生物学的製剤でもワクチンは摂取できるのか?


現時点では学会等でも生物学的製剤を使われている患者さんに対しても、新型コロナウイルスワクチンは推奨されています。

 

なお、個々の薬剤を使っていることに関して効果や副作用の違いがあるかについてはまだ解明されていませんが、海外ではすでに多くのIBD患者さんがワクチンの接種を行なっているため、データの解析が行われているとのことです。

 

治験薬の副作用・安全性について


治験を行う段階までに安全性の確認が試験(https://gcarecommunity.com/article/121)で確認されてきた薬剤が治験の対象となっているので、治験薬は海のものとも山のものともわからないような薬剤ではないとのことです。


ただ一般的な生物学的製剤等の薬剤と同様に副作用のリスクは当然あるのでそこを理解した上で主治医の先生と相談して治験に参加するかどうかを決めることが大切とのことです。

 

治験参加のメリット・デメリット


メリットは、病状が不安定な場合効果の高い可能性のあるまだ広くは普及していない薬剤を使用することができる点、一方デメリットは、他の薬剤と同じですが副作用などが起こる可能性がある点とのことです。

 

(宮﨑*からの補足:治験では、通院頻度が上がることが多い一方で、検査や治療の費用がかからないことや、負担軽減費が支払われることもあります。メリット・デメリットについては、ご自身の病状、症状、ライフスイタルによっても異なってくるかと思いますので、一つずつ条件などを確認していくことが大切です。もしコミュニティ内の治験の情報をみてわからない場合はお気軽にご連絡ください。)

 

*ミシガン大学で臨床試験コーディネーターの経験があり、Gコミュ内で治験をサポート

 

治験でプラセボに当たった場合について


試験デザイン等によりますが、プラセボの投与となり、期待される効果が得られない可能性があるとのことです。以前堀田先生が経験した方では、治験に参加したものの期待される治療効果が得られなかったため、治験を中断し、別の薬剤に処方を切り替えた方もいたとのことです。

 

(宮﨑からの補足:治験では、その治験ごとの試験デザイン(試験のスケジュールや内容)によって、プラセボに割り当てられた場合の使用薬剤が異なります。実際にプラセボに該当した場合にどのような薬剤が使用可能となるかについては、試験に申し込む際に行われる臨床試験コーディネーターらとの面談時に確認できます。不安を取り除くためにもしっかりと確認されることをお勧め致します。)

 

また今後もZoom交流会、Zoom医療講演会を積極的に開催していきたいと思います!引き続きぜひよろしくお願いいたします🐿🌰

 

なお、Gコミュニティでは、治験に興味のあるIBD患者さんに対して幾つかの治験情報を提供しています。

 

クローン病・カプセルタイプの飲み薬

クローン病・点滴注射

 

また関連情報も提供していますのでぜひご参考にして頂けましたらと思います。

 

治験参加時の確認事項について(患者さんからの質問)

IBD患者さんが治験を正しく理解するための3つのポイント

IBD患者さんに知っておいてほしい新薬開発のこと

医薬品開発に患者の声はどうやって反映されるの?

患者中心の医薬品開発!?

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